一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3026  今日揚羽きのう金蚉あなたなの  石井稱子

2024年01月18日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(きょうあげは きのうかなぶん あなたなの) 

 昨年の四月に五十四回目の結婚記念日を祝い、その三週間後に夫は旅立ってしまいました。別れというものは、あっけなくやってくるということを、今さらに口惜しく思います。夫との別れを詠まずにはおれませんでした。私の気持ちが彼に届いてくれると信じて・・・・・

一瞬に白牡丹散り夜のしじま

夫逝きし春繰り返すありがとう

雪解富士遠出約束そのままに

遺影の笑顔揺れ止まぬ葉桜よ

森閑と返事相槌無きおぼろ

居る人の無く徒然や夕桜

 岩戸窯で、俳句の会「多留男会」に出会い、早二十数年が経ちました。自然を愛で心の折節を詠んで参りました。修練も足りず、努力、不勉強を恥じながら過去の日々を懐かしく辿っている・・

 ささやかな自分史かとも思います。また、句集にしていただけますこと、何より感謝致しております。

(合同句集「天岩戸」より 石井稱子記)

ロウバイ(蠟梅)

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