一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3031  ふるさとの段々畑曼珠沙華  中山 信天翁(あほうどり)

2024年01月25日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(ふるさとの だんだんばたけ まんじゅしゃげ) 

私のふるさとは山間の自然豊かな所です。春はすみれ、たんぽぽ、つくしんぼ、ほたるぶくろ、色取り取りの花が所狭しと咲き誇っています。

夏の野道は、雑草がひと雨毎に大きく姿を変え、山には百合が咲き、香りを四方に届け、清々しさを辺りに届けます。

秋には、段々畑を曼珠沙華が赤々と萌え、一見不気味にも感じます。そこを通り抜けて彼岸参りをし、気分も爽快になり、畑道を折り返して、軽い足どりで帰ります。秋は、驚くほどの紅葉は無く、庭には栗、柿、ざくろ、みかん等々、たわわに枝を賑やかに、静けさ一色です。

冬の山々は静かに、辺りは眠りへとたどって行く。自然の尊い営みの感動を胸に込め、大自然に有難うと、日々に感謝するのです。

(合同句集「天岩戸」より 中山信天翁記)

ハナユズ(花柚子)

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3030  冬の月泣かないための赤ワイン  大澤黒薔薇

2024年01月25日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

 熱海の山腹に位置する自宅は、正面に山の稜線と広い空、夜空に月と星が輝く場景です。

 大寒を迎えての月の高度は高く、空気は澄み渡り冴え冴えと鮮明です。冬の月の光は、物寂しく寂寥感が漂い涙する気持ちが湧きます。ときには、キラキラと輝く美しい月。

 私には、短期間に父・母・弟そして夫との悲しい別れがあり、ひとりぽつんと残されて、人生の目的「人生をどうとらえるか」「何ができるか」を見失いながらも、弱った心を充電して俳句と出会いました。私が見る夜空に浮かぶ月は、悲しみと喜びが入り交じって見える静かな白月。この感情は、どなたでも持つのでしょうか?感情は、コントロールできるのでしょうか。感情にとらわれないひとつに無心になりたいと思うことだと・・・。

 しかしながら、私は、感覚感情を大切に実感判断して、生業である華道家元としての創作意欲に心を打ち込む所存でございます。

因みに、この句の赤ワインは、好物の仏ボルドー産〝サン・テミリオン〟

 俳句という世界は、たおやかな日本語のリズム感、季節や自然を感じることができる有意義なひとときですから、今後も思考を深めて参りたいと思います。

(合同句集「天岩戸」より 大澤黒薔薇記)

マンサク(満作、万作、金縷梅)

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