一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3035  満月や月下美人の香り嗅ぐ  船山 伊豆山人

2024年01月28日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(まんげつや げっかびじんの かおりかぐ)

 俳句と合気道、二つの伝統文化に浸って

 定年を機に住み慣れた横浜から熱海市伊豆山に転居して2年。夫婦で散歩中に寄った処がことりカフェ。ベランダからは山櫻越しにハマの遠景が、卓には野鳥の餌台に山雀が出入りする。ここは自然の極楽空間。

 誘われるまま句会に。句歴は1年。自分の思いを四季折々の風物に託し、自分の言葉で表現する「心の詩」と、趣味の合気道とは、通じ合うものがある。合気道で重要なのは「執着しない」こと。心が自由でなければ体を自由に動かせない。状況を捉えるも、それに捉われず自在に動けることが肝要。俳句も心が自由でなければ新たな気付きは望めない。

 合気道の祖・植芝盛平が「真の武道と宇宙と一つになることだ」と残したが、これは芭蕉の教え「造化に従い、造化に還れ」と重なる。諸芸行き着く所は同じ。どんな状況にあっても一度心を花鳥風月に寄せ、短時間、極楽の境地に心を置く。

 一方、心身共に疲れていても、一度稽古をすれば呼吸法と気の錬磨で身心が晴々となる合気道。俳句が「極楽の文学」(虚子)なら、合気道は「極楽の武道」と呼べる。

赤白二龍和す伊豆山の住人

(合同句集「天岩戸」より ・船山伊豆山人記)

ヤブツバキ(藪椿)

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3034  道をしへ仙厳園の観音岩  周 翠風

2024年01月28日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(みちおしえ せんがんえんの かんのんいわ) 

この句は、2013年10月に初めて九州を旅した時の句です。

 太宰府天満宮で俳句と短歌と出逢いました。私に小さな詩の芽が出てきました。熊本城地震後復興のために「雲に乗って」の写真を応募して入選したので、写真展を見にいきました。

 阿蘇草千里が浜から阿蘇山の火口まで歩いて、帰りはヘリコプターに乗り、空から火口を俯瞰して、心臓がドキドキしました。

 手形で黒川温泉へ入り放題でした。町の黒い雰囲気に魅力されました。高千穂峡はまるで緑の宝石箱でした。指宿、砂温泉に入って、撮った写真は何年後に入選しました。

 そして最後は、鹿児島藩島津別邸の仙厳園でした。とても綺麗な虫が、石階段で私の前に導いてくれて、曲がって待ってくれました。私が写真を撮っていると、滝の前で止まってくれました。突然虫がいなくなりました。観音岩がありました。二十分間も私に付き合ってくました。

 後で調べて見るとそれは、ハンミョウ(斑猫)という虫でした。別名「道おしえ」と呼ばれていることが分かりました。

(合同句集「天岩戸」より 周翠風記)

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