一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3028  耳遠きことにも慣れて五加木摘む  西行 紅

2024年01月22日 | 多留男会合同句集「天岩戸」

(みみとおき ことにもなれて うこぎつむ)

 米沢藩主、上杉鷹山公が推奨した五加木は、隣家との垣根として植栽されました。ザルを抱え、棘を避けながら摘み取るのが、子供の頃の手伝いでした。生家から株分けした五加木は、鉢植えにして春先には一番先の芽吹きとなり楽しませてくれます。

 二十年前の事、茶の湯の恩師に「茶の湯は季節感が大切よ」と諭され誘って戴いたのが、俳句を始めた切っ掛けでした。当時、多留男先生は、耳が不自由であられ、句会ではいつも隣席で陶子さん(現、釣舟先生)が添削後の質問や会話を取り次いで下さって居りました。

入会してからも、中々想う様な俳句ができず手探り状態でした。その頃、金沢へ一人旅した折の、

「秋灯や十三階の旅の窓」

の句を多留男先生が「いいよと」思いがけない「天」を下さいました。それで少なからず句作への意欲が湧いてきた気がします。

 私は、近頃難聴になり、釣舟先生や句会の皆さんのご理解の中、後少し俳句を楽しみたいと願っております。

(合同句集「天岩戸」より 西行紅記)

スイセン(水仙)

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