私にしてはめずらしく、男性歌手を続けて取り上げます。高山厳さんには「心凍らせて」という大ヒット曲がありますが、もともとバンバンに所属していた人でもあり、声もソフトで、演歌といってもあまり演歌っぽくないイメージがあります。
その高山厳さんの新曲「夕挽歌」は、まさに彼の持ち味を生かしきった、フォーク調の抒情歌謡です。すぎもとまさとさんの大ヒット曲、「吾亦紅」も同じような路線と言えますし、団塊の世代を中心とした大人の歌謡曲の路線が次第に定着しているようなきざしを感じます。
この「夕挽歌」の内容は、自分のふるさと、そして子どもの時代を愛おしく懐かしみ、これからはこのふるさとでずっと生きて行こうという気持ちを歌ったものです。この曲を聴いていると、誰もがそれぞれに自分の子ども時代を過ごしたふるさとのことを思い出すでしょう。
またこの曲では、ピアノの伴奏が効果的に使われていて、高山さんの優しく語りかけるような歌声とよく調和していると思います。