少し前の昨年3月にシングルカットされた曲を取り上げます。あさみちゆきさんは今年でデビュー10年になります。私が彼女を初めて知ったのは、デビュー間もない2003年6月のNHK歌謡コンサートでした。「紙ふうせん」はフォーク調の哀愁を帯びた曲で、この歌手には何か光るものというか、スケールの大きさを感じました。その感触は当たっていて、地道ながら彼女なりのスタイルを確立して、活躍していると思います。
この曲は、実際に新橋駅前で40年以上も靴磨きを続ける老女をテーマにした曲です。こういう一庶民の人生を取り上げて歌うというところにこの曲の価値があります。
靴磨きという職業自体が今では見かけなくなってしまったのに、それを長年にわたって続けること自体が非凡な事であり、まさに歌の主人公にふさわしいと言えるでしょう。
この曲を聴いていると、地道に一生懸命生きることの大切さを感じます。
これからも彼女には、日常の生活に根差した、生きる希望を与えてくれるような曲を歌い続けてほしいと思います。