またまた4か月近くも放置して、全く自分でもいい加減さにあきれてしまいますが、今は時間的に余裕もできましたので、少し前に出た曲も含め、これはというところを思いつくままにまた取り上げていければと考えています。
それで今回は、話題の「酒のやど」です。
NHK紅白に5年ぶりの出場が決定した香西かおりさん。もちろんそれはこの「酒のやど」のヒットによるものです。彼女はデビュー曲「雨酒場」が代表するように、しっとりした居酒屋を舞台にした曲がぴったりです。2005年の「居酒屋・敦賀」もすごくいい曲で、私は気に入ってカラオケでもよく歌いました。この曲はそれ以来の彼女の十八番の王道・居酒屋演歌と言えるでしょう。
この曲の舞台は「酒のやど」とあるように居酒屋と旅館を兼ねたような店のようです。5月に発売されたのですが季節は冬で、これは年末に向けてじっくりヒットさせていこうという考えが伺われ、ぴたり的中しています。
この曲はメロディーが大変いい。演歌の基本的なスタイルは守りつつ、少しひねりを利かせて何とも言えない心地よい余韻を残します。まさに癒し系の演歌だと思います。
香西かおりさんは、熱唱型の歌手ではないので、歌唱力が劣っていると思う人もあるかもしれませんが、なかなかどうして彼女ほどしっとりと心にしみわたる歌唱のできる歌手はざらにはいません。この「酒のやど」を他の歌手がカバーしても決してこの味は出せないと思います。
この曲で彼女は第54回日本レコード大賞にもノミネートされました。ぜひ大賞のグランプリを射止めて、紅白出場に花を飾ってほしいと思います。