7年前にデビューした山口ひろみさんは、小柄ながらパワフルな歌唱と明るいキャラクターが売り物の浪花っ娘です。その彼女の新曲は「春は桜の夢が咲く」です。季節はずれといえばそうなんですが、演歌はじっくり時間をかけて売り込んでいくものですから、これから冬に向かい、そして春を待つということで、ちょうどいいのですね。春に春の曲を出してもすぐに夏になってしまいますから。
この曲は、「しあわせ演歌」です。それも直球ストレートでいかにも彼女にぴったりの曲です。何でも「平成21年日本作曲家協会音楽祭」ソングコンテストグランプリ作品とのことですが、別にそんな箔をつける必要もない、いい曲だと思います。
特に3番の歌詞の、「似た者同士が 惚れている 散る時は 一緒と決めた」の健気な愛情表現がいいですね。
アレンジについても、イントロや間奏の筝の音色が大変美しく印象的です。満開の桜の下に緋毛氈を敷いて筝の調べを奏でている情景が浮かんできます。
また何よりもこの曲を聴いていると、幸せな気分が伝わってきます。彼女が本当に幸せな気持ちを込めて歌っているからでしょう。