川野夏美さんは新曲が出るたびに大きな期待を込めている歌手ですが、今回はちょっと意表をつくというか、からめ手から攻めてきた素晴らしい曲だなと感じました。
10月13日に発売された新曲は『想い千すじ』とタイトルからして意味深長で、この「千すじ」は「ちすじ」と読みがちですが「せんすじ」です。
内容がちょっと重くて、恋する女性の妖艶な情念を歌い上げているのがこれまでの彼女の曲とは一味違うところです。ジャケ写の表情も何か思わせぶりな、内に秘めたものを感じさせます。
作曲は名手、杉本眞人氏でやはりうまいですね。ドラマチックにテーマを盛り上げていきます。
作詞は、さくらちさと氏で彼女の曲では初めてですが、あさみちゆきさんの曲など多く手がけている方です。
歌詞はなかなか凝っていて、タイトルの「千すじ」は想いの糸が川になると表現され、これは冒頭の洗い髪を櫛で梳くこととイメージを重ねているようです。「ほろほろ」「ゆらゆら」「ヒュルヒュル」といったオノマトペも効果的に使われています。
彼女の歌唱はいつになく力が入った感じで、うなりも効かせ、本来の歌唱力を存分に発揮しています。
これは演歌ファンにも歌謡曲ファンにも好まれそうな曲で、カラオケでは絶対に歌い映えすると思います。
新境地のこの曲で、彼女がまた歌手として大きな飛躍をするきっかけになればいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4KmiiVJE2OY