市川由紀乃さんといえば「海峡」と出るほど海峡ものの演歌が多かった彼女ですが、今回の新曲は内面的というか、女心の深層を表現したとても味わい深い曲だと思います。
彼女の持ち味はケレン味のない正統演歌で、歌い方もあくまでも正攻法、派手さはないですが聴けば聴くほどその歌唱の魅力にとりつかれること請け合いです。
せつない女心を主題にしていながら、前向きに生きて行こうとする内容がいいですね。こういう曲を聴いていると、「せつな系演歌=暗い・悲観的」といった一般的なイメージが全然あてはまりません。
せつなさを生きる力の源として前向きに生きる意志が強く感じられる曲で、彼女のストレートな歌唱にこれほどふさわしい曲もないといった感じです。
彼女も実力に比して一般の認知度が高いとは言えず、非常にもったいない気がします。この曲を契機に中堅演歌歌手としての大輪の花を咲かせてほしいものです。