水田竜子さんの新曲は、京都府の丹後半島にある伊根町の名物である舟屋をテーマにした「伊根の舟屋」です。丹後半島には平成の大合併で京丹後市という新しい市ができたのですが、伊根町がこの合併に加わらなかったのは、舟屋で全国的にも有名であるというプライドがあるからかも知れません。
それはさておき、この曲は水田竜子さんの堂々とした歌いっぷりがなかなかに印象的な旅情演歌です。歌詞の内容は切ないのですが、曲調には温かみがあります。この歌の主人公は、ひとりで舟屋の宿に来て鶴を折ったり、ぐい呑みを二つ並べたりして悲しみにうちひしがれているような女性ですが、宿にいるうちにふと希望を見出して生きていくといったイメージでしょうか。
悲しい内容なのに、聴いていて全然暗い気分にならない曲です。こういう演歌もいいですね。今の時代には似合っている感じがします。