この曲は、2005年に発売された彼女のオリジナルアルバム「あさみのうたⅡ」に収録されていた曲で、今回新しいアレンジでシングル曲として発売されました。
「あさみのうたⅡ」には本当にいい曲が多いのですが、その中でも「黄昏シネマ」は1、2を争う名曲だと思いますので、シングル化は大賛成です。また、今回のアレンジは、この曲全体にただよう哀愁をより引き立たせています。
誰にでも何かのきっかけで、過ぎ去った思い出に胸をしめつけられることがあります。この曲にはそういう感情を私たちに呼び起こす力があるように思います。歌詞の中では「エキストラ」という言葉がポイントになっていて、たとえエキストラであっても同じ季節を生きたという満足感の表現が巧みなところです。
彼女の歌唱には力強さと寂寥感が兼ね備わっており、この曲を耳にしていると、思わず鳥肌が立つほどまでに感情が伝わってきます。さすがに故・阿久悠氏が見込んだだけのことはあります。新感覚の歌謡曲の旗手として、さらに大きく成長してほしいものです。