私は以前からこのブログでは比較的若い女性歌手をよく取り上げてきましたが、今回はベテランの原田悠里さんの新曲「桜が咲いた」です。
日本人は本当に桜の花が好きで、毎年この季節になると演歌・歌謡曲、J-POPを問わず桜をテーマにした曲がよく出てきます。
この曲の内容は、愛する伴侶を失くして悲しみにくれている主人公が、桜の花を見てその伴侶が励ましてくれているように思い、感動するというものです。死者をテーマにしているのですが、暗い雰囲気の曲ではなく、シンプルで軽快な曲調です。アレンジも愛唱歌風で親しみやすいものです。
各コーラスの終りのほうで「咲いた」というフレーズを4回くり返しますが、これは一人で力強く生きていこうという気持ちを高める効果があります。戦前の小学校1年の国語の教科書に「サイタ サイタ サクラガ サイタ」というのがあったそうで、この曲はこれを意識したのかはわかりませんが、「さ」の頭韻になっていて調子がいいです。
原田さんの歌唱は技巧に走らずシンプルに感情表現をしており、聴いていてまことに心地よいものです。