丘みどりさんは当代きっての人気女性演歌歌手の一人ですが、昨年はNHK紅白落選の不運があり、今年は新たな気持で出直そうという気持だと思います。
3月17日に発売された新曲『明日へのメロディ』は、そんな彼女の新しいスタートにまことにふさわしい曲です。
彼女はここ数年、幽玄なムードの演歌が続いていて、一つのイメージを作り上げてきましたが、今回は一転、ポップスに舵を切り、Jポップのコモリタミノル氏が作曲しています。
曲調は70年代歌謡ポップスに通じるような感覚もあり、一度聴くと頭の中で繰り返したくなる印象的なメロディーです。
また内容は、哲学的とも言える重いもので、コロナ禍の中で自分の生きる意味を問いかけ、暗い闇の中から一筋の光りを見つけて、明日への希望をつなぎたいとの思いを歌っているように思えます。
歌詞には「奈落の底」「罪人」「生きた屍」などこれまでの彼女の曲にはなかった語句が次々と出て来るのが特徴で、「サラバイ ララバイ サラバイ」のフレーズ、そして「ルルリララ」のスキャットも印象に残ります。
PVでは彼女が赤いポルシェを運転するシーンなどドラマチックな映像が続き、見応えがあります。
この曲は3月29日付のオリコン週間総合ランキングで4位と、演歌・歌謡曲では快挙と言える好スタートを切りました。
彼女にとっては歌手生活の大きな転機となる曲で、これをきっかけに、ジャンルを超えたスケールの大きな歌手に成長してほしいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Ph5Vt8uIUak