♬ 歌・唄・詩の日々

いい歌、いい歌手と出会いたい・・・
そんな気持ちを込めて綴る気ままな雑記帳です

田川寿美 “春よ来い”

2018年04月23日 | 演歌・歌謡曲

田川寿美さんは昨年「心化粧」が好評でヒットしました。今月11日に発売されたばかりの新曲「春よ来い」は「心化粧」と同じくメジャー調の、ほのぼの系演歌で、聴く者の心をなごませてくれる歌です。

「春よ来い」といえば古くから親しまれている童謡があり、また松任谷由実さんには「春よ、来い」の超有名なヒット曲があります。ですからタイトル的にはハンディーを背負っているとも、またインパクトがあっていいとも言えるでしょう。

この曲での「春」は、いい人が見つかって幸せになる未来であり、それを待ち望む心境を歌っています。3番の歌詞では、おみくじで大吉が出て願い事がかなうという、その幸せな未来を確信する内容になっています。

彼女はデビュー26年と、立派なベテラン歌手の域に達していますので、そのキャリアに裏付けられた洗練された歌唱力を感じます。優しく包み込むような声が、この曲の雰囲気と大変よくマッチしています。

「心化粧」に次ぐヒットとなることは間違いないでしょう。彼女のますますの飛躍を期待しています。

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石川さゆり “夫婦人情”

2018年04月14日 | 演歌・歌謡曲

石川さゆりさんの曲をこのブログで取り上げたのは、10年以上も前の「朝花」というシングル1曲のみです。もちろん彼女は超ベテランの一線級ですので、主に若手歌手を応援するという趣旨にそぐわなかったことがあります。

ところで今回1月3日に発売された彼女の新曲「夫婦人情」を取り上げましたのは、先日に書いておりました新曲歌謡レッスンの初回講座が昨日にあり、そのレッスン曲がこの曲だったからです。

レッスンの内容は男性講師が楽譜にそって歌唱ポイントを説明し、全員でキーを変えながら練習します。次回からは冒頭で一人ずつ前回の曲を歌ってもらうとの指示でした。受講者は女性が多いので、レッスン曲は女性曲2・男性曲1の割合とのことです。

さて、この「夫婦人情」ですが、キャッチコピーは“明るく軽快な、浪花の夫婦演歌の決定盤”で、メロディーも歌詞も凝らず親しみやすい曲です。私は「朝花」のときに、彼女の魅力は、優しさ、素朴さであると書いていました。その点ではまさにこの曲は、彼女の優しさ、素朴さを前面に出した曲だと思います。

一見歌いやすいように思える曲ですが、こうしてレッスンを受けてみると非常に奥が深く、難しいものだと感じます。これまで自己流で歌ってきましたが、ゼロからの出発の気持ちで努力したいものです。

石川さゆりさんには、後輩の多くの歌手の模範・目標としてさらに精進されて、ますます高みを目指してほしいと思います。

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川野夏美 “孔雀の純情”

2018年04月13日 | 演歌・歌謡曲

先日は阿久悠氏の著書へのコメントで、“聴かせる歌”について書きましたが、川野夏美さんの2月21日発売の新曲「孔雀の純情」は、まさにその“聴かせる歌”だと思います。

一風変わったタイトルの曲で、作詞は「神田川」の喜多條忠氏です。喜多條忠氏作詞の曲といえば最近では山内惠介さんの「スポットライト」があります。

キャッチコピーは、“孔雀の華やかな羽をモチーフに失った恋の喪失感を歌う2018年の勝負曲”とあります。孔雀を題材に使うという点がこれまでにあまりない発想で新鮮な感じです。豪華で派手な印象のある孔雀の羽を一本残さず抜くという歌詞で、主人公の女性の鋭い冷徹なまでの意志が表現されています。

この曲をうまく表現するにあたり、彼女の歌唱力が十分に発揮されていると思います。

彼女にはどちらかというといわゆる「ど演歌」より歌謡曲のほうが合っていると思いますので、この曲のような聴かせる歌謡曲の路線で進んでいってほしいものです。

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阿久悠氏の著書「昭和と歌謡曲と日本人」について

2018年04月11日 | ノンジャンル
阿久悠氏の「昭和と歌謡曲と日本人」という昨年11月に出版された著書を読みました。阿久氏が他界されてから昨年でちょうど10年になりますので、それを記念して出版されたものだと思います。

内容的には季節感などをテーマにしたエッセイで新聞に連載されたものが中心で、短くて気軽に読めるものです。その中で特に印象に残ったのは、「誰が歌謡曲を殺したか」というエッセイで、そのタイトルは刺激的ですが、内容的にも阿久氏の痛切な思いがこもった、歌謡界の現状に対する遺言と言えるものです。

要約しますと、本来歌謡曲とは演歌でもポップスでもない、幅広い要素を取り入れた日本の歌であって、その歌謡曲が中心にしっかり位置をしめ、その両翼に伝統的演歌と輸入加工のポップスがあるのが本来の姿なのに、その中心がポッカリと抜け落ちてしまっている現状である。そしてその原因は人々が歌を歌いたがるが聴きたがらなくなったからで、こういう食べやすいものばかり評価される状況では文学や映画などの他の芸術も衰退してしまうと述べています。

確かに他の芸術はともかく、大衆音楽についてはカラオケの普及により、聴くより自分で歌える曲がもてはやされているのは事実で、阿久氏の憂慮した状況は、その後さらに顕著になっていると思います。そのことは時代の流れで一概に良い悪いの判断はできないと思いますが、やはり聴かせる歌という姿勢を、作り手も歌い手も常に心がけてほしいと思います。このブログでも、聴く歌としてどう評価できるかといった視点を忘れないようにしたいものです。




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椎名佐千子 “舞鶴おんな雨”

2018年04月03日 | 演歌・歌謡曲

若手から中堅への過渡期にある女性演歌歌手の中で、忘れてはいけないのが椎名佐千子さんです。彼女もいろいろと試行錯誤の中で、しっとりした抒情演歌路線を志向しているようですね。

1月24日に出た彼女の新曲は京都府の著名な港町、舞鶴を舞台とした旅情演歌です。せつなさの中にも強い意志を感じさせる歌唱に思わず聴き惚れてしまいます。

各コーラスの歌詞がすべて“おんな舞鶴 なみだ雨”で終っているので、タイトルは「舞鶴なみだ雨」でもいいと思うのですが、女の心情を前面に出したタイトルかなと感じました。

舞鶴ってなかなか美しい地名で、釧路湿原で見られる丹頂鶴の優雅な舞のイメージがありますね。ところが舞鶴をタイトルにした曲はこれまで皆無だったようで、その点でも新鮮なので、彼女の代表曲となればいいと思います。

面長の和風美人で長身というルックスは、先輩の市川由紀乃さんとの共通点もありますので、追いつき追い越す勢いで頑張ってほしいと思います。

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