5月15日にアップしました小田純平さんの『迷子のホタル~ニューバージョン~』のカップリング曲を取り上げたいと思います。
このブログではカップリング曲を取り上げることはあまりないのですが、この『モノ・ホン』はいい曲で、A面の曲がセルフカバーということもあり、むしろこっちをメインにした方がよかったのではないかと思った次第です。
この曲もフォーク調演歌といった感じで、小田さんが得意とする男のしみじみとした情感を表現しています。
大阪を舞台にしたご当地もので、大阪弁は各コーラスに一箇所ずつ、「あったんや」「仲や」「知ったんや」と控えめに使われています。
タイトルの『モノ・ホン』は言うまでもなく「本物」の倒語ですが、特徴的なのは、数え歌の体裁を取っていることで、「一つとせ」「二つとせ」と始まります。
若い時に年上の女性とひととき暮らしていたことを思い出しながら、酒を飲んでいる男性の独白といった内容で、しみじみとした哀愁感や孤独感がにじみ出ています。
小田さんは、こういうタイプの曲の歌い方が実にうまく、まさに唯一無二の孤高の持ち味と言えるでしょう。
作詞は小田氏の曲をよく書いている朝比奈京仔氏で、女性の細やかな心情表現が得意で多くの名曲がありますが、こういう男性主人公の曲も実にうまく表現していると感心します。
小田さんのファンはもちろん、演歌・歌謡曲のファンに広くおすすめしたい曲で、カラオケでは多くの方にチャレンジしてもらいたいです。