私としては大変めずらしいことですが、男性歌手を3回連続で取り上げます。たまたま今は男性歌手にいい曲が目立っているということです。
さて、今回は昨年6月に「人恋酒場」でデビューし、いきなりのヒットで話題を呼んだ三山ひろしさんの第二弾シングル「酔待ち酒場」です。「よいまち」と耳にすれば、誰でもまず「宵待草」の「宵待」をイメージするのですが、こちらはそれをもじって、酔うのを待つとしており、まずタイトルが面白いですね。
曲調は「人恋酒場」と同じく、懐かしさを感じるメジャー調の明るいメロディーで、歌詞もいわば二番煎じの、主人公の女性が酒をあおりながら未練心を独白するといった、いかにも演歌そのものなんですが、今度も彼の爽やかな歌いっぷりがすごくいい感じに決まっています。
それから、これも「人恋酒場」に引き続き、日本語の特色である擬態語が効果的に使われています。「カラコロ」「シクシク」「ハタハタ」をそれぞれ2回続けて、印象を強めています。
三山ひろしさんには、声もルックスも明るいイメージがあり、これからの演歌界を背負って立つ逸材として、大いに期待しています。