
桜井くみ子さんは若手演歌歌手の中でも、感情表現力では抜群の才能を持っていると思います。とにかくこの新曲『海宿』のサビの部分を聴いてみてください。
決して誇張ではなく、「鳥肌が立つ」という表現がぴったりです。
昨年の前作『ちょっと待って下さい』は、それこそちょっと息抜きというか、気分を変えてこういうのもありかなという感じでしたが、今回は真っ向勝負の本格演歌です。
曲もいいですが、味わい深い歌詞が特筆ものです。始まりからして「如月の旅路は 骨まで寒い」と幽玄な風情があり、2番には「書いてはちぎった 手紙を飛ばし かもめのようだと 遊んでる」といった動きのある面白い表現もあって、一味違った魅力を醸し出しています。
極め付きの歌唱力、そして力強い歌声を持ちながらルックスは愛らしく親しみやすい、こんな彼女にはもっともっと第一線で華やかに活躍してほしいと心から願っています。