偶然にも雨をテーマにした演歌を続けて3曲取り上げることになりました。この「無情の雨が降る」の雨はタイトルからわかるように、情け容赦なく未練心に降り注ぐ悲しい雨です。演歌のタイトルとしてはストレートな表現という感じがあって、それだけこの曲の持つイメージが増幅されていると思います。
真木ことみさんの声は低いのが特徴といえますが、温かみと柔らかみのある魅力的な声ですね。こういう悲痛な思いのマイナー調の曲を歌っても、決して暗い感じにはなりません。むしろ女性の強い意志、悲しみを克服して力強く生きていこうとする心情を感じます。
私が真木ことみさんを知るきっかけになったのは、星野哲郎氏の50周年記念曲だった平成15年の「十年坂」とその次の「いのち川」あたりでした。「十年坂」のとおりデビューはそれより10年も以前で、今年で16年目になる立派な中堅演歌歌手です。彼女のさらなる飛躍が期待されます。