5時20分起床。めちゃくちゃ寒い。身支度を整え、6時前に家を出る。予報通り雨が降っているが、この程度の量なら出歩くのに支障はない。大宮駅06:50発のあさま501号に乗り、一路長野へ。いつものように車内販売でアイスクリームを買おうと思ったら、長野新幹線限定の「ロイヤルスウィート」という高級品(とはいっても380円だが)が売られているとのことだったので、今回はそれを試してみた。通常新幹線で売られているスジャータのアイスクリームに比べて牛乳の味が強く、良くいえば「濃厚」なのだが、朝7時に食べるのにはちょっと向かない味だった。その後、高崎を出た辺りからウトウトし始めたものの、軽井沢手前の長いトンネルを抜けた瞬間窓の外が一面白銀の世界になっていて、一気に目が覚めた。まさに、「トンネルを抜けると…」というやつである。しかし、雪が積もっていたのは軽井沢周辺だけで、しばらく行くと何事もなかったように通常の景色になってしまった。
奥に見える木のない部分はスキー場
8時過ぎに長野に到着。長野駅に停車中の電車を一通り写真に収めてから(例の如く、実際に乗ってもいない電車は最後に回します)、バスに乗って善光寺へ。雨が降っているからか、時間が早いからか、境内にはポツポツと人がいるくらいで、全体が静けさに包まれていた。本堂へ入ると、その静けさに凛とした空気が加わる。この雰囲気がたまらない。ご本尊の前で般若心経を唱えてからご朱印を頂き、「お戒壇めぐり」へ。これは、「御本尊の安置される瑠璃壇下の真っ暗な回廊を通り、中程に懸かる極楽の錠前を探り当てて、秘仏の御本尊と結縁するもの(「参拝のしおり」より)」で、要するに真っ暗な地下通路を手探りで歩いていくと、どこかで金属製のドアノブみたいなものが見つかって、そこがご本尊の真下ですよ、ということである。実際、入口の階段を下りると全く何も見えない状態になるので、1人だと結構怖い。しかし、何とか手探りで「極楽の錠前」に辿り着くことが出来た。
仁王門
仲見世通り(朝早すぎて大半のお店が開いていない)
山門(三門)
たくさんの絵馬が掛けられていた。
「牛に引かれて善光寺参り」
本堂
その後、本堂より少し奥にある日本忠霊殿へ。ここは、戊辰戦争から第二次大戦までの戦争で亡くなった方々を祀っている場所なのだが、その中に善光寺の史料館が併設されており、規模こそ小さいものの興味深い展示物が多かった。また、その中の一角に写経コーナーがあって、「般若心経の中から一字を選んで書いてください」とのことだったので、私の好きな「羯諦羯諦。波羅羯諦。波羅僧羯諦。(ぎゃていぎゃてい。はらぎゃてい。はらそうぎゃてい)」という部分から、「羯」という文字を書いてみた。自分自身では最高に集中して書いたつもりなのだが、何となく残念な感じの字になってしまった。一応名誉のために言っておきたいのですが、普通のペンならもう少しまともな字が書けます(多分)。
(左) 忠霊殿 (右)全力を出した結果
帰り際、ようやく開き始めた仲見世通りのお店で野沢菜のおやきを食べる。「長野といえばこれ」という感じだが、どうやら私は野沢菜そのものがあまり好きではないらしい。決して嫌いではないのだが、肉まんのほうがいいなと思ってしまう。もう少し大人になれば、良さがわかるのかもしれない。
かじりかけではありません。
熱くて上手に半分にできなかっただけです。
バスに乗って長野駅まで戻り、しなの鉄道に乗って上田まで行き、そこから上田電鉄に乗り換えて別所温泉へ。線路の凍結のため、しなの鉄道の列車に運転見合わせや遅れが出ていたが、幸運にも乗り換えは予定通りにできた。長野から別所温泉までの約1時間、田舎の景色を眺めながらゆっくりと過ごす。特に、上田電鉄は田んぼの中を走っており、遠くの景色まで見渡すことができて気持ち良かった。
しなの鉄道 快速小諸行き
上田電鉄 別所温泉行き
これも、上田電鉄の車両(帰りに乗った)
首都圏に住んでいる方も、見覚えがあるのではないでしょうか。
上田電鉄は東急電鉄のグループなので、古い車両を譲り受けているのです。
別所温泉駅から10分ほど歩いて、北向観音に到着する。ここは、善光寺と対になっているお寺で、善光寺とは向き合うように建っている(善光寺は南向)。規模自体はとても小さいのだが、高台(というか山の中腹)にあるので景色が良く、空気もおいしい。境内を一回りしてから、般若心経を唱えてご朱印を頂く。これで、お礼参りも含め、坂東巡礼が完結。何とも感慨深いものだ。先人達も、この場所で同じような気持ちになったのだろうか。
北向観音本堂
駅へ戻る途中に少し寄り道をして、別所温泉の足湯に浸かる。硫黄の香りをかぎながら、そのまましばらく休憩。標高が高い分寒さも厳しかったのだが、足を入れただけでびっくりするほど体全体が温まった。しかも、その後歩き始めると、足の軽いこと軽いこと。今度来るときは、タオルを持参して本格的に湯めぐりがしたい。
お湯をかけてあげると、願い事を叶えてくれるらしい。
別所温泉駅から再び上田電鉄に乗り、上田まで戻る。ちょうどお昼時だったので、上田駅から歩いて10分ほどのところにある蕎麦屋「刀屋」で昼食。周りのお客さんが皆頼んでいたので「もり蕎麦」の普通サイズを注文したら、尋常じゃない量のお蕎麦が出てきた。ここは学生街か。普通サイズでこれだけの量だったら、大盛りって一体…。お蕎麦そのものの味の良し悪しはよくわからないが(蕎麦に関しては、味の違いがほとんどわからない)、歯ごたえがあって個人的には好きだ。ただ、もう当分お蕎麦は食べなくていい。
これだけの量で650円。
デザートに注文した「さくらかんてん」(200円)
さくらもちをあっさり味にした感じで、大当たり。
上田駅で家族へのお土産に野沢菜の漬け物を購入し、14:00発のあさま528号で帰路につく。大宮駅で京浜東北線に乗り換え、16時前に帰宅。
家に着くと、明日最終面接を受ける会社から、大阪までの切符が届いていた。切符とはいっても回数券なので、どの列車に乗るかは自由に選べる。さっそく、駅へ行って列車を指定。面接は15時からだが、せっかくなので朝から入って観光し、1泊して土曜日に帰ってくることにした。正直なところ、結果に関わらずこの会社にお世話になる可能性は低いので、交通費まで出して頂くことには多少の申し訳なさを感じる。しかし、その一方で「それぐらい会社にとっては痛くも痒くもない額じゃんよ」という悪魔の囁きも存在して、この場合悪魔が完全に勝っている。私の道徳意識など、その程度のものなのだ。
そういえば、今日は早稲田の卒業式の日。そして、第一文学部、ひいては社会学専修最後の卒業生が卒業する日だった(留年する人もいるのかもしれないが)。別に大したことではないのかもしれないが、何となく寂しい気がする。「文学部社会学コース」といわれても、何だかしっくり来ない。そのうち、「一文」や「専修」という言葉も死語となってしまうのだろうか。しかし、それよりも問題なのは、もう卒業してから2年になるということである。去年の今日の日記でも書いたかもしれないが、時間が経つのは早いものだ。
さて、最後は、今日長野駅で撮った電車の写真たち。「本文の間に電車の写真が多すぎてうざい」という声がちらほら聞こえるので、端に追いやっておきます。「それでもまだ多い」という声が聞こえてきそうですが、だって電車好きなんだもん。
特急ワイドビューしなの
(大阪・名古屋-長野間運行)
快速妙高(直江津-長野間運行)
在来線特急時代のあさま号の車両(183・189系)が使われている。
普通列車甲府行き