7時起床。
今日から3日間不在にするので、念入りに朝顔の水やりをする。
朝食は生協のヨーグルト。時間に余裕があるので、珈琲を淹れて先日岸根公園の「La collation Aco」で購入したクッキーを食べる。
荷造りを完成させて身支度を整え、10時過ぎに家を出る。今日から家族で1泊2日の温泉旅行へ行き、帰りにそのまま義実家へ伺ってお正月を迎える予定になっている。
新幹線で品川へ出る。最初の目的地は上野なのだが、東京駅が帰省ラッシュで大混雑になっているらしいので、比較的空いている品川で常磐線の始発列車に乗り換える。隣のホームから先に発車した特急ひたち号がピンク色の車両で、思わず写真を撮る。
上野へ移動し、駅構内にある「洋食や 三代目 たいめいけん」で昼食。
11時過ぎに入店したのですぐに案内されたが、ほどなくして外に行列が出来ていた。
セットで注文したボルシチが美味しい。
娘は上野店限定の「三代目おこさまオムライス」。
器が年季の入った200系新幹線仕様で、私のテンションが爆上がりする。これ、売ってもらえないだろうか。
妻は「オムライス&カキフライ」。オムライスのソースはトマトソースで、パスタソースのような酸味があってオムライスとしては新鮮な味がする。
前評判の高いカキフライは1個追加してもらったのだが、大正解だった。自分が2個、私が1個のつもりだった妻にお願いし、1.5個ずつにしてもらった。
私は「ビーフシチューオムライス」。ビーフシチューが濃厚で、とろとろの卵とチキンライスにぴったりである。
食事を終え、地下ホームへ下りる。
12:21発の特急水上号に乗る。
年末年始限定の臨時列車、しかも首都圏では定期運用されていないE653系車両での運行ということもあり、ホームには多くの鉄道オタクが集まっている。
定刻に出発。上野駅の地下ホームから北へ向かうというのは何ともいえない趣きがある。
1列前に座る妻と娘はしばらくお喋りしていたが、そのうちに妻は読書、娘はアニメ動画鑑賞にうつっていた。私もゆっくり本を読む。
あっという間に列車は高崎を過ぎ、新前橋の車庫では久しぶりに211系を見ることが出来た。
首都圏での運用がなくなってからどれくらい経つだろう。シートが柔らかめで乗り心地の良い車両だったことをよく覚えている。
上野駅の「メルヘン」で購入したサンドイッチを開ける。ハムチーズ&レタスは娘が食べたいと選んだはずなのだが、いざとなるとフルーツサンドのほうに惹かれたようで、結局私がひとりで食べた。まあ、美味しいけれども。
渋川を出ると車窓の魅力が一段と上がる。
ただ、娘が期待していた雪は降っていないようである。
終点・水上のひとつ手前、沼田駅で下車。
駅前のトヨタレンタカーで車を借りる。スタッフの方がとても親切で、行先方面の路面凍結が心配される場所やそこでの運転方法などを詳しく教えてくださった。ありがとうございました。
宿へ向かう前に、「火群庵」で焼きまんじゅうを食べる。
群馬に来たらこれを食べないと始まらない。
シンプルな(餡の入っていない)焼きまんじゅうを3本注文。注文が入ってから焼き始めるスタイルで、ほどなくしてとても良い香りが漂ってくる。
焼きたてをその場で頂く。美味しい!
味噌の味付けがそれほど好きではない娘の口に合うか不安だったが、「これはおいしいね」と喜んで食べていた。
宿泊先のある老神温泉へ向かう。レンタカー店のスタッフさんが仰っていたとおり道路が凍結している箇所があり、慎重に運転する。
宿泊先の「紫翠亭」に到着。
車を下りた瞬間、ガツンと寒さが襲ってくる。
チェックインして部屋に荷物を置く。室内は逆に暑い。
すぐに散策へ出掛ける。
娘は雪に触れるのが嬉しくて仕方がない様子である。
数日前に降った雪なのでやや固まっているが、サラサラである。
うっすら雪化粧をした山肌に夕日がさし、キラキラと輝いている。
温泉街を歩く。
こういう言い方が適切かはわからないが、ちょうどいい具合に寂れている。
多くの旅館が元気に営業されている一方で昭和がそのまま残っている場所もあり、そのバランスが絶妙である。
思ったよりも本格的な散策になってきた。
車1台がようやく通れる内楽橋を渡る。高所恐怖症の私より娘のほうが怖がっている。珍しい。
私も足が震えたが、橋上からの景色は素晴らしかった。
片品川の西側がメインの温泉街で、東側にも何軒か旅館が建っている。
更に冷え込んできたので、橋を渡り切ることなく引き返す。
宿へ戻り、さっそく温泉に浸かって冷えた身体を温める。露天風呂が特に素晴らしく、キンキンに冷えた外気と熱めのお湯の行ったり来たりが最高に気持ち良かった。
少し部屋でゆっくりしてから夕食。
正直なところそれほどお腹は空いていなかったのだが、それでも美味しい料理だった。
娘は大好きなマグロが食べられて大満足のようである。
栗のたくさん入った茶碗蒸しが美味しい。これでシイタケさえ入っていたなかったら文句なしだったのだが。
メインは上州牛のすき焼き。写真に撮るのを忘れたが、この前に食べた鰆の西京焼きや地場野菜などが美味しかった分、これは少し期待外れだった。割り下が濃すぎてお肉の味云々という感じではなかったように思う。
メインはともかく総じて料理は美味しかったと思うが、私たちの席が入口付近だったこともあり、少し寒いし人通りも気になってゆっくり食事を楽しむという環境ではなかった。年末年始とはいえ、この値段でこの感じだと不満が残る。部屋や温泉、温かみのある接客などは素晴らしいからこそ、夕朝ともに食事場所の環境だけが気になってしまった。
部屋へ戻って布団でごろごろ。娘は正月明けの書初め(筆ペン字)の練習をしている。私も挑戦したら、ここはハネない、ここは長過ぎるなど様々なダメだしを受けた。
娘を寝かしつけてから読書の続き。
『あのこは貴族』(山内マリコ)、読了。職場の後輩と好きな本の話をしていて、私が「女性同士の友情とか、いわゆるシスターフッド的なものを描いた作品が好き」だと言ったところ、それならこれは好きかもしれませんと教えてくれた作品である。
一見すると特別な世界の話のようだが、誰もが属している「自分たちの世界」とそれを相対化する視座、そしてそこから一歩外へ踏み出す勇気とそれを後押ししてくれるシスターフッド。階級的にも性別的にも近くない世界、かつ自分自身が経験することはない領域の話ではあるのだが、とてもリアリティがあり、読み終える頃には不思議と自分も勇気づけられている作品だった。映画化もされているようなので、今度観てみよう。教えてくれた後輩に感謝である。
23時過ぎに就寝。