澄みきった青空から 陽が照りつけ
真っ白な大地は
ダイヤモンドでも散らばめたように
空と一緒に輝いていた木曜、、、。
2月5日は 父の命日だった。
その日、夕方まで 一人だった私は
お経をあげたり
ぼんやりと父に想いをやって過ごした。
家の裏通りにある幼稚園から帰って来ると
その日 父が入院したことを知らされた。
コンクリートのヒンヤリした感触が
その日の記憶と一緒に 蘇ってくる のは
小さな私にとって それは
悲しいニュースだったから、、だろうか、、、。
幼児期
私は父を恐れていた。
父との思い出には どれも
何も言えずに 怯えていた私が立っている。
学帽をかぶっているのが 私の父だ。
あまりにも幼い顔立ちに
" 高校時代の記念写真だろうか " と
思い直し始めたら
写真のコーナーにあった
"Isetan Shinjyuku " という押し印を見て
東京で撮影した物である事がはっきりした。
私が生まれる15年前、、、、
父が大学在学2年目の年、東京の下宿先で喧嘩を始め
警察沙汰 を起こした父は
おかしな言動から医師の診察を受け
精神分裂病と診断された。
心が病んでいた青年期の父は
こんなに純粋な顔立ちを していたんだ。
高知の小さな漁村で育った父は
周りの住民から
"変わった人や" と
噂されていたと聞いたことがあった、、、が
こんなに優しい顔立ちを していたんだ と
今まで見落としていた写真の父に
吸い込まれるように見入っていた。