日々の覚書

MFCオーナーのブログ

少女マンガの世界

2008年12月12日 23時01分23秒 | 本と雑誌

いきなりで何だが(笑)、こんなランキングを見つけた。

1.『のだめカンタービレ』二ノ宮知子
2.『あさきゆめみし』大和和紀
3.『ガラスの仮面』美内すずえ
4.『愛すべき娘たち』よしながふみ
5.『君に届け』椎名軽穂
6.『ハチミツとクローバー』羽海野チカ
7.『BANANA FISH』吉田秋生
8.『舞姫 テレプシコーラ』山岸涼子
9.『NANA』矢沢あい
10.『ぼくの地球を守って』日渡早紀

ネタ元はこちらです。

分かる人はすぐ分かると思うが、少女マンガである。「CREA読者が選んだ私たちの最愛マンガ」ランキングのトップ10だ。CREAは女性誌と思うので、読者もほとんどは女性だろう。女性が読むマンガ=少女マンガ、という発想は差別的なんだろうか。少女マンガという呼び方に、抵抗を感じる人も多いかもしれないが、便宜上今回は、上記のようなマンガを少女マンガとさせて頂く。僕は、少女マンガというのは、ひとつのジャンルだと思ってるし。決して差別的な意味合いで使っているのではありませんので、ご理解下さい。

と言いつつ、実は僕は少女マンガに限らず、マンガ全般に関して、大した知識を持っていない。どういうジャンルであれ、有名な漫画家の有名な作品しか知らない。なので、このランキングを見ても、作者も作品も知らないのばかりだ。『のだめカンタービレ』はテレビ化されたのを見た。『NANA』は映画化されたから、タイトルは知ってる。どちらも、原作は読んでない。この上位10作で読んだ事あるのは、『ガラスの仮面』だけである。途中までだけど^^;

ただ、10作の中で唯一読んだ事ある『ガラスの仮面』だが、これには熱中した。いやほんと、『火の鳥』と並び称される、日本漫画界が誇る不朽の名作と言っていいだろう。何度読んでもも飽きさせない。ストーリーは説明しなくても皆さんご存知だろうが、簡単に言えば、北島マヤという演劇好きの少女が、その才能と情熱を武器に、女優として成長していく姿を描いた作品だ。けど、単なる立身出世物語ではないし、根性物でもない。芝居といっても映画やテレビではなく、舞台がメインであって、マンガの中に舞台劇が挿入されているのが斬新というか、単なる劇中劇ではなく、ストーリー展開の上でも重要な意味を持っているケースが多くて、それにより独特の世界が構築されている。『ガラスの仮面』の面白さは、この見事な構成にもある。

いわゆる、演劇界或いは芸能界の裏を暴く、という内容でもない。けど、主人公の北島マヤが演劇に深く関わっていく過程において、いじめやら中傷やらも受けたりする。ただ、凄いのは、北島マヤはその才能でもって、自分に敵対する人たちを黙らせていく、という所だ。北島マヤは、芝居が上手くなりたい、という以外には何の野心もなく、ただひたすら芝居が好きな芝居バカである。そういう彼女の才能を周囲は認め、次第にひれ伏していく。そこが痛快でたまらない。

また、このマンガには、“天才は天才を知る”てなテーマが貫かれている。北島マヤのライバルとして登場する姫川亜弓は、まだ芝居すらした事のないマヤが、行きがかり上初体験のパントマイムをしてみせるのを見て、彼女は天才だと見抜く。そして、誰もマヤに注目していない時から、彼女こそ自分の好敵手として意識し続ける。マヤを発見した月影千草にしてもそう。公園で子供を相手に、昨夜見たテレビドラマを一人で再現してみせるマヤを見て、自分の後継者はこの娘だ、と確信するのである。ちょっとしたことで、マヤの天賦の才に気づくこの2人、本当に凄いキャラクターである。

そんな、あくまでも演劇というエンタテインメントの世界に於いては、人を感動させるのは才能が全てなのだ、というメッセージが、『ガラスの仮面』を名作たらしめているのだ、と思う。当たり前のようだが、ここまでストレートに本質に迫った作品は少ないのではないか。『ガラスの仮面』は、人間ドラマとは違うのだ。北島マヤという天才が、いかにして天才であるのか、という部分を徹底的に描いている。そこに僕は熱くなるのである。

と、『ガラスの仮面』について、ここまで書くつもりはなかった(笑) 『ガラスの仮面』となると、つい語りたくなってしまうのだ(爆)

話は変わるが、少女マンガとは一種独特のジャンルであると思っている。ギャグマンガとも少年誌によくある劇画とも違う。確かに、昔は僕も女の子向けだから少女マンガなのであって、作者の大半が女性なのもそのせい、と思っていた。それは間違いでもないが、でも違うような気もする、と気づいたのは、いつ頃だったのだろう。

確か、中学2年くらいの頃と思う。父親の実家で法要か何かがあって、僕もついて行ったのだが、何もする事がなくて、ヒマつぶしに2~3年上の従姉の部屋の本棚を埋め尽くしていた少女マンガを読んでみる事にした。そしたら、どれも面白くて、数時間部屋に篭って読みふけり、呆れられたことがある。『ガラスの仮面』を初めて読んだのも、その時だった。他にも読んだけど、タイトルや作者は覚えていない。ただ、色々なテーマの作品がある事に圧倒された。ごくフツーの恋愛物もあったが(こういうのも面白くなくて、すぐ止めたけど^^;)、オカルトもの、歴史もの、SFもの、中には近親相姦などをテーマにしたシリアスなのもあり、あまりの多彩さに、少女マンガに対する認識を改めたものだ。少女マンガって、深いぞ、と。

思えば、この深さこそが、少女マンガなのだ、と言えなくもない。冒頭のランキングだが、読んだ事はないが、どれもタイプの違う作品らしい、というのは分かる。11位以下(100位まで掲載)を見ても、実に多彩である。『綿の国星』『ベルサイユのばら』は読んだことあるが、『日出処の天子』『パタリロ』『エースをねらえ』『キャンディ・キャンディ』といった所は、名前くらいは知ってる。『サザエさん』や『毎日かあさん』あたりがランクインしてたりもする(笑) 少女マンガって、実はバラエティ豊かなのだ。

ま、よくよく見ると、このランキングは「女性が選んだマンガ」というだけで、少女マンガのランキングという訳ではない。ならば、手塚治虫や藤子不二雄や石ノ森章太郎がランクインしてもいいはずだが、一冊も入ってない。やはり、女子が読むマンガと男子が読むマンガというのは、違うものなのだろう。

実際、これだけ並ぶと、あれこれ読んでみたい、という気になる(笑) 自分にとって『ガラスの仮面』を超える少女マンガは、果たしてあるのか? 山岸涼子という人は、なんとなく気になるが。

もう一度言う。少女マンガは深い。

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赤と青の時代

2008年07月23日 23時31分36秒 | 本と雑誌

既に読んだ人も多いだろう。今月と先月のレコード・コレクター誌の特集は、「ビートルス/赤の時代の50曲」と「青の時代の50曲」である。だいたい分かると思うけど、要するに、ライターたちに、ビートルズ赤の時代(1962-1966)及び青の時代(1967-1970)のベストソングを20曲づつ選ばせ、それを集計して編集部で調整して1~50位まで順位をつけたものを掲載してる訳だ。編集部で調整って、その時点で陰謀を感じるなぁ。何を1位にするか、最初から決めてあったんじゃないの、ってな感じ(笑)

ま、そんなことは、レココレなので、別に珍しい事ではなく(笑)、とにかく、それぞれの時代のベストソング50曲なんである。詳しく知りたい人は、レココレを買うか立ち読みしてもらうとして(笑)、僕もちょっとやってみた。ライター陣と同じように、それぞれ20曲づつ選んでみたのだ。あれこれ考えると、20曲なんてとても選べないので(笑)、思いつきで挙げてみた。順位も関係なし。おそらく、後で、あれが抜けてた、というのがたくさん出てくると思うけど(笑)

では、まず、赤の時代の20曲

Help!
She's A Woman
You're Going To Lose That Girl(恋のアドバイス)
I Feel Fine
And I Love Her
The Night Before
You've Got To Hide Your Love Away(悲しみはぶっとばせ)
Paperback Writer
You Won't See Me

If I Needed Someone(恋をするなら)
What Goes On(消えた恋)
She Said She Said
I Need You
Here There And Everywhere
All My Loving
She Loves You
Taxman

Girl
Eight Days A Week
In My Life

ま、こんなとこかな。ちなみに、レココレ選出の上位5曲は、

She Loves You
Help!
Tomorrow Never Knows
Dive My Car
A Hard Day's Night

さて続いては、青の時代の20曲である。

Lady Madonna
With A Little Help From My Friends
Something
Let It Be
Martha My Dear
Back In The USSR
Birthday
Octopus's Garden

You Never Give Me Your Money
The Fool On The Hill
Old Brown Shoe
Only A Northern Song
Two Of Us
Dig A Pony
Mother Nature's Son
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
Maxwell's Silver Hammer
One After 909

Here Comes The Sun
Get Back

順当過ぎて面白くない(爆) ちなみに、レココレの上位5曲は、

Strawberry Fields Forever
A Day In The Life
I Am The Walrus
Something
Happiness Is A Warm Gun

う~む、“裏”を感じる(爆)

という訳で、なかなか面白いので、皆さんも遊んでみては如何でしょう?(笑)

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歴史のミステリー

2008年03月04日 23時22分56秒 | 本と雑誌

200803042205000

今話題(?)の「歴史のミステリー」である。写真は創刊号。もちろん、買ったのではなく貰ったのだ(笑) テレビCMで見て、気にはなってたのだが。

世間には歴史好きな人って、結構多い。それも、女性に多いような気がする。で、実は僕も案外歴史好きなのだ(ほんとか) 小学生から中学生にかけて、NHKの大河ドラマは欠かさず見てたくらい(その程度かよ) 一番印象に残ってるのは、司馬遼太郎原作の『国盗り物語』だな、やっぱり。お濃の方を演じた松坂慶子が若かった(なんのこっちゃ)

ま、歴史好きとは言っても、興味があったのは飛鳥時代から江戸時代の手前くらいまでで、近代史とか全く分からない。世界史もダメ^^; 小学校の5年頃から、社会の授業に歴史が登場して、その頃はテストでもいい点取ってて、“歴史だけはミョーに詳しい生徒”であった(笑) 詳しいと言っても、もちろん小学生レベルでだけど(笑) 「初代天皇の名前を言える人いるかな?」と先生が質問した時、誰も分からなかったので、手を挙げて「神武天皇です」と答えて、クラス全員から畏敬の目で見られて得意になっていた事は、よく覚えてる(爆) やなガキだ(爆爆)

その後、中学校で歴史の授業が近代から始まると、もうついていけなくなった(笑) 自由民権運動も薩長連合も、ちんぷんかんぷんだった(爆) 高校では、2年のときの社会科必修科目が世界史だったのだが、これまたちんぷんかんぶん。範囲広すぎるよ(爆) カタカナばかりだし(爆爆) 受験では日本史を選択したが、今イチ分かってなかったような気がする。

ま、歴史好きといっても、その程度。大した事はない。「歴史が好きです」なんて、人前で発言したら罰が当たる。

歴史小説も読まないし、大河ドラマも見なくなってしまったけど、昔の建造物・遺跡の類を見るのは好きだ。こんな昔に、よくこんな物作ったよなぁ、なんて感心する訳だ(笑) 昔の人って、ほんと凄い。

そんな似非歴史好きの僕ではあるが、たまに歴史関係の本を読んだりすると、なかなか面白い。ここでやっと出てくるのだが(笑)「歴史のミステリー」創刊号も、とても面白かった。詳しい内容はこちらをご覧頂くとして、個人的な白眉はなんといっても、“本能寺の変の首謀者は誰だったのか?”に尽きる。1582年6月2日、織田信長が明智光秀に襲撃されて自害した事件が本能寺の変であって、日本人なら誰でも知ってる歴史上の大事件である。これは、日頃信長にいじめられて続けてきた光秀が、その恨みを爆発させて謀反を起こした、というのが長らくの定説であり、教科書だけでなく、小説も映画もテレビドラマも、全てそういう内容であった。が、この「歴史のミステリー」では、光秀私怨説に疑問を投げかけ、新たなる解釈を示している。それは、当時最も勢いのあった信長がこれ以上増長する事を恐れて、朝廷が密かに信長暗殺を光秀に依頼した、というもの。目から鱗、だった。光秀は決して私怨からではなく、朝廷に対する忠誠心から信長を討ったのだ。う~む、意外だけど、実に納得のいく説である。久々にアカデミックな気分だった(爆)

詳しい人は、昔から知ってるんだろうけどね^^;

所で、遥か昔に起きた出来事を、何故現代の我々が知る事が出来るのか、というと、資料が残っているからだ(当たり前)。様々なことを書き残していた人たちがいたのである。大したもんだなぁ。もちろん、何百年も前であるから、文字を書ける人とか道具を使える人、なんてのはごく限られた存在であったろう。政府の公式記録員みたいな人たちによって残されたのだろう、と思うけど、それにしても、そういう資料が今も残っていて、それにより、昔の日本を知る事が出来る、というのは有り難いというか、凄い事だ。

しかも、そういう昔の資料を必死で読んで、研究してる人たちがいる訳で、そのおかげで、決して正しくないのかもしれないけど、我々は日本の歴史というものを知る事が出来るのである。やはり記録というのは残しておくものだ、と改めて思った(なんちのこっちゃ)。

昔の人たちは、資料を紙に筆で書き記していたのだろうけど、今ならさしずめパソコンとかCD-R、またはフロッピーディスクという事になるのだろうか。何千年か後に、工事現場からハードディスクが発見され、その中に残っていたファイルによって、21世紀の日本の実態が明らかになり、教科書が大幅に書き換えられる、なんて事になったりするのだろうか(笑) しかし、数千年後の世界で、今のファイルを読める、いや開けるのか? エクセルやワードなんて古文書扱いだったりして(笑) マイクロソフト社は遥か昔に消滅してしまい、現存するWindowsマシンは世界に3台だけで、しかも動かない状態だったりなんかして、扱える人も生きておらず、その上世界遺産に認定されてたりなんかして、なんとかこのワードとかいうファイルを開かねば、ってんで優秀な科学者たちが集って、何年もかかってようやく解読に成功する、そしてそこには驚愕の事実が...なんて騒ぎになるのだろうな。“数千年前のエクセルの解読に成功した男たち”なんて、「プロジェクトX」のネタになったりして(爆)

とまぁ、そんな事を考えたりして、やっぱ歴史って面白いものなのだ(意味不明)

あ、で、「歴史のミステリー」ですが、創刊号以外読んでません(爆)

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音楽ジャーナリズムに物申す!?

2005年03月17日 22時56分51秒 | 本と雑誌
今日はとても機嫌が悪かったのである(笑) 何故なら一日中雨と強風だったからだ。ほんと、雨が降る事だけでもイヤなのに、強風まで重なると機嫌がいい訳ない。今日だって、あまりの強風に煽られ、傘の骨が曲がってしまった。傘って何故、かさばるくせにちっとも役に立たないのか。日本の社会自体も傘を持ち歩く前提では作られていないし。傘を置く場所が常時用意されている建物は皆無と言っていい。これだけ歓迎されていないのに、傘を持ち歩かねばならない天候が腹立たしい。故に雨は嫌いである(一体コイツは何が言いたいのか?)

さて、今月もレコードコレクター誌(以下レココレ)を買ったのである。思えば、毎月欠かさずレココレを読むようになってから、15年程になるだろうか(!) 面白い時もあればつまらない時もある。ま、長年定期購読してる雑誌なんて、そんなもんだろうね(どんなもんだ?) 

定期購読を始めてから15年の間に、編集長も替わりレココレも変化している。ただ、ずっと変わらないこと、それは「レココレ的に重要なアーティスト、それはビートルズ、ストーンズ、クリムゾン、ツェッペリン、ディラン、ザ・バンドである」という事だ。実際、これらのアーティストは、何かというと特集が組まれる。新作が出たとか、リマスターで旧作が再発されたとか、メンバーが来日するとか、最近巷で話題になってるとか、はっきり言うと、かなり適当な理由で特集されている。で、その都度、似たような賛辞の言葉とアルバムガイドが繰り返される。重箱の隅をつつくような、新リマスターと旧リマスターの比較検証や、レア音源追跡もお馴染みだ。近頃では、ネタが尽きてきたのか、◯◯(アーティスト名)を知るためのアルバムガイド20選とか、今に受け継がれる◯◯(アーティスト名)の遺伝子を知る20枚、なんて記事も定番化してきた。そんな事してるなら、他にもっと特集すべきアーティストは大勢いるだろうに。こういう記事ばかり載せてると、マニアを増やす事はあっても、洋楽ファンの裾野を広げる、もしくは古い洋楽ファンを呼び戻す、なんて事は期待出来ない。それでもいいならいいけど。

例を挙げると、我が敬愛するクイーンなのだが、これまでにレココレで特集が組まれたのは一回だけ。フレディ死後の1992年の春頃だ。正直言うと、レココレでは絶対クイーンの特集はないと思っていたから、これは大変嬉しかった。だが、それ以降は一回もなし。特集を組もうと思えば組めたはずだ。『メイド・イン・ヘブン』が発表された1995年秋、フレディのボックスが出た2000年冬、旧作のリマスターが出た2001年秋、ロンドンでミュージカルが上演された2002年夏、そしてオリコンで『ジュエルズ』が一位になった去年の今頃、と最低でも5回は特集のチャンスがあった。もしこれがクイーンでなく、ザ・バンドやツェッペリンであったら、間違いなく特集が組まれていたはずである。何故なかったか。それはひとえに、編集部の好みではないからだ。

クイーンは昔から評論家ウケするバンドではなかったけど、レココレが取り上げないのは、おそらく編集者の年齢にも依ると思われる。どこにも書いてないが、推測するにレココレ編集部の平均年齢は40代後半から50代であろう。この世代にはクイーンはウケが悪い。もうちょっと下の世代なら、結構クイーンを取り上げるのではなかろうか(事実、他の雑誌ではクイーンは非常においしいネタとなっている)。いえ、別にクイーンの特集をやれ、と言ってる訳ではないんですけど...

ま、レココレってのは、そういう雑誌だという事である(笑) ちなみに、今月号(4月号)の特集は大瀧詠一の『ナイアガラ・ムーン』がメインで、あとポール・ウェラーとYMO。大瀧詠一って別に好きではない(あの名盤と言われるロンバケさえろくに聴いていない)。今回は本人のインタビューを交えて『ナイアガラ・ムーン』というアルバムを再検証しているのだが、この人自分の音楽について語り過ぎるのが良くない。この曲の元ネタは何とか、このタイトルは何をもじったとか、この部分のコーラスはあの曲の何をマネしたとか、マニアがあれこれ詮索するならともかく、本人が言っちゃいけない。本人はシャレのつもりで遊んでいたのだろうけど、自らネタばらしをされると興ざめする。山下達郎も、自分の音楽について語りたがる人だけど、彼の場合は冷めてるというか自虐的な感じがあって、自身の作品を客観的に見てるんで却って笑えるくらいだが、大瀧詠一はほとんど自慢話。大瀧フリークくらいだろう、こういう記事を面白がるのは。

あと、レココレに限らないけど、ライターがこの曲の元ネタはこれだ、なんて公の場で言うのも良くない。自分が色々と知っているのをひけらかしてるだけとしか思えない。とある雑誌で、あるアーティストの新作を取り上げ、全曲に渡って曲解説ならぬ元ネタ解説をしていたのには呆れた。というか、腹が立った。そのアーティストが好きなら、その作品にもっと敬意を払うべきだろう。しかも、元ネタをばらして批判するならともかく、絶賛してるのだから、余計訳分からない。僕がアーティストなら、面と向かって「この曲は◯◯を頂いてますね」なんて聞くライターなど、張り倒すであろう。少なくとも二度と取材は許可しない。音楽家が生み出した作品と何だと思ってるのだ。音楽ジャーナリストとは聞いて呆れるわい。

もっとも、最近は某オレンジレンジのように、パクリを公言して自らの音楽を貶めているミュージシャンもいるから、ジャーナリズムだけではなく、アーティスト側も似たようなもんか(苦笑)

あ、レココレ今月号ですが、ポール・ウェラーとYMOの記事は大変面白かったです。聴きたくなりました。こういう記事は大歓迎(笑)

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AERA IN ROCK(Part 2)

2005年03月02日 21時57分57秒 | 本と雑誌
間髪入れずに続きです(笑)

QUEEN in their early days

やっぱり目玉はこれ、でしょうか?(爆)
クイーンの2ndや『シアー・ハート・アタック』のジャケット撮影で知られる写真家、ミック・ロックによるクイーン回想録である。撮影現場でのクイーンについて細かく語られているのが興味深い。ミック・ロック曰く“(彼らは)自分たちのルックスがいかに強力になるか、知りすぎるほど知っている連中だった”、なるほど、やっぱりそうだったんだ、って感じ(笑) クイーンというと、フレディの独特の美意識とナルシズムばかりが強調されるきらいがあるが、実はメンバー揃ってナルだったのだ(爆) でなきゃ、初期のあんなヒップでグラマラスな写真を堂々と撮れるはずがない。納得。ビジュアル面においては、フレディがリーダーシップを取っていた、という話も改めて納得。この手のネタは、ファンジン等では当たり前に紹介されているのだろうけど、写真家の目を通したクイーン、というだけでなく、とてつもなく創造的な空気がみなぎっていた、という70年代前半のロンドンの様子やミュージシャンのライフスタイルについても語られているので、非常に興味深い読み物になっている。タイムマシーンがあったら、是非30年前のロンドンに行ってみたい、なんて気になってしまうね。ちょっと怖そうだけど(笑)

ロック女子覆面座談会 美形ロックは永遠に不滅

いわゆる“ミーハー”な20代から30代のお姉さんたち4人が座談会形式で、愛する美形ロッカーたちの魅力を語る。登場するロッカーは、デュラン・デュランとボン・ジョビがメインで、僕などよりは一世代下ってとこかな。しかし、ミーハーと侮るなかれ、彼女らはただお目当てのミュージシャンの写真を抱いてキャーキャー叫ぶだけの人たちではない。進行役(男)がデュラン・デュランは単なる売れ線では、とつまらぬ茶々を入れると「スミスやキュアーとどう違うのか?」と切り返してみせるあたり、あっぱれである(笑) ロックとは思想性を内包した音楽なのではないか、としつこく言い続けるこのオヤジを置いてきぼりにして盛り上がるなんて痛快この上ない。「ジャンルにこだわるのは男の人特有の性癖ですよね」と耳の痛いセリフも強烈。彼女たち、ルックスだけでなくてちゃんと音楽も聴いてるし、データもきちんと押さえていて、案外とマニアなんである。野郎どもとはベクトルが違うだけだ。こういうお姉さんたちと、酒でも飲みながらロックについて語れたら、といけない妄想に耽ってしまいました(爆)

ラフ・トレード 奇跡の軌跡

偶然にも、同時期に発売されたレコードコレクターズ3月号でも、ベガーズ・バンケット/4ADに関する記事が掲載されており、合わせて読むと非常に興味深い。共に、70年代後半、ロンドンのレコード店が発展して誕生したインディー・レーベル。折からのニューウェイブ旋風に乗って成長を続け、ゲイリー・ニューマン、カルト、スミスといった人気バンドを世に送り出し、肥大化・産業化するロック界に一石を投じた意義は大きい。しかも、両レーベル共90年代に入って失速したとはいえ、今でもレーベルが続いているとは、単なる趣味が高じてのレーベル運営ではなかった、という事の証明でもある。成功の秘密は何なのか? 脱サラ希望者としては、大いに憧れてしまうのである(笑)

う~む、まだ終わらない。またまた続くのであった(爆)

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