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MFCオーナーのブログ

ネフェルティティ

2024年12月29日 09時22分38秒 | 音楽ネタ
いきなりだが、最近買ったCDから。



今年は、個人的にはジャズ・フュージョン系をよく聴いてたと思う。もちろん、レコード・コレクターズの影響なのだが(笑)、そのフュージョンというかクロスオーバー化する前のジャズについては、実は疎くてほとんど知らないと言っていいのだが、やはりレコード・コレクターズの影響もあり(笑)、ちょっと手を出してみた。と言っても、せいぜいハービー・ハンコックとマイルス・デイビスくらいなんだけど。で、『ネフェルティティ』なんである。

僕はジャズには疎いので、60年代にマイルスをはじめとするジャズの人たちがやってたのがどういうものなのか、は分からない。ただ、この『ネフェルティティ』は1968年発表、マイルス以下、ウェイン・ショーター(Sax)、ハービー・ハンコック(Pf)、ロン・カーター(Bs)、トニー・ウィリアムス(Ds)の5人で録音され、マイルスの傑作として名高いだけでなく、アコースティック・マイルスの最後となった重要作でもある、というのはなんとなく知ってた。それと、この録音メンバーの5人が、マイルス・クインテットでは最強のメンツである、という事も。

で、聴いてみると、この時期のジャズに対して僕が持っているイメージ、つまり全編に漂う緊張感、単にソロ交換だけに終わらないインプロビゼーション、意外と分かりやすい曲構成と曲調、などがそのまま提示されている印象。曲や演奏が激しいものはあまりないので、リラックスして聴けるけど、静かな中に漲る緊張感がなかなか。ハービー・ハンコックの『処女航海』と似た雰囲気。違うものであるのは分かるけど。マイルスのプレイの特徴というのは分からないけど、この『ネフェルティティ』でのマイルスはクールで抑えめな感じ。少なくとも、自分ひとりが前に出ようとしてる感じではない。何回か続けて聴いてみたくなるアルバムだ。

本作で、重要なポジションにいるのが、ウェイン・ショーターである。ご存知、後にウェザー・リポートを結成した人であるが、やはり若い頃から注目されていた人らしく、ここでも6曲中3曲を提供し、プレイも溌剌とした感じ。ちょっと、この時期のウェイン・ショーターも聴いてみたくなった。ま、今年は多少でもジャズに目覚めたのは収穫かな。

閑話休題。

またしても訃報である。70年代に人気だった女優オリビア・ハッセーが亡くなった。享年73歳。癌を患い闘病中だったとか。仕方ない事とは言え、非常に残念だし悲しい。謹んでご冥福をお祈り致します。

オリビア・ハッセーと言えば『ロミオとジュリエット』である。もちろん、オリビアはジュリエットの役。文句なしに彼女の代表作であろうし、この作品によって彼女は一躍最も注目される女優となった。ただ、この『ロミオとジュリエット』の印象があまりにも強烈だったせいか、これ以降は正直なところ、あまり作品に恵まれなかったというか、『ロミオとジュリエット』を超える事が出来ず、伸び悩んでいた感がある。類まれな美貌の持ち主でありながら、グラビアでよく見る美人女優、という以上のステータスを得る事が出来なかったのは実に残念だ。今回の訃報記事もそうだが、日本ではオリビア・ハッセーと言えば布施明の元妻、という肩書がついて回るのもやや残念。

何度か書いているが、中学生の頃、僕は映画にハマっていて、友人に借りた『ロードショー』や『スクリーン』を夢中になって見ていたのだが、その頃、オリビアはもちろんトップクラスの人気女優で、毎号のようにグラビアを飾っていた記憶がある。ほんと、あの頃のオリビアはこの世の人とは思えないほど美しく、グラビアで見ていてもため息しか出ないくらいだった。けど、よくよく思い返してみると、僕はオリビアの映画は一本も見ていないかもしれない。代表作『ロミオとジュリエット』は見た記憶がない。それ以外の出演作にしても、『サマータイム・キラー』『失われた地平線』『暗闇にベルが鳴る』といった作品は知ってはいるが、やはり見た記憶がなく、結局、偉そうな事は言ってるけど、僕はオリビア・ハッセーの映画を見てないのである。スクリーンで見るオリビアは、グラビアの数倍も美しかったんだろうな。しかも動くし喋るし、ほんと素敵に違いない。惜しい事をしたと思う。って、今からでも遅くはないかも(苦笑)

オリビアは『ロミオとジュリエット』以降伸び悩んでいた、と書いたが、後年念願だったマザー・テレサをテレビドラマで演じた時は、とても幸運、女優冥利に尽きると語っていたらしい。ただ、その『ロミオとジュリエット』の監督フランコ・ゼフィレッリが亡くなってから、映画の中で全裸となった事について、それは児童ポルノ以外の何者でもなく、そのことが原因で映画公開から50年以上も精神的苦痛を受けた、として損害賠償を起こした、と聞いた時は、複雑なものを感じたりもした。結局、オリビアにとって『ロミオとジュリエット』は何だったのだろう? もしかすると、この映画に出ないで違う作品でデビューしていれば、もっと違った女優人生があったのだろうか。勿体ない気もする。それだけの逸材ではあったと思うだけに。

若い頃に憧れていた女優が、徐々にいなくなっていくのは寂しいものだ。仕方ない事ではあるけれど。
そんな思いをよそに、2024年は暮れていくのであった。



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