FIFAワールドカップ南アフリカ大会が始まって10日ほど過ぎた。グループリーグもいよいよ佳境である。オランダやブラジルのように、既に決勝トーナメント進出を決めた強豪国もあれば、スペインやイタリア、フランスのように苦戦している強豪国もある。下馬評以上に健闘している国もあるが、我が日本代表も予想を上回る健闘ぶりではなかろうか。
実際の所、僕自身も日本代表には期待していなかった。今年に入ってから、強化試合などでの日本代表の迷走ぶりは目を覆うほどであったし、とても本番を目前に控えたチームとは思えなかった。まだ、惨敗した4年前のドイツ大会のときの方が、コンディションは良かったのでは、なんて思えるくらい。初出場したフランス大会と同様、間違いなく日本は一点も取れずに3戦全敗だろう、と思っていた。いや、フランス大会では一点取っているから、それ以下の結果となるに違いない、と完全に諦めていたのである。
所が、いざ始まってみると、日本は初戦のカメルーン戦で勝ってしまった。いや、勝っただけでなく、いい試合をした。いつどこで、岡田監督そして代表メンバーの意識が変わったのか分からないが、名前や実績ではなく、その時最も調子の良いメンバーを使い、尚且つ意志統一がきちんとされていた。本田を1トップで起用したり、キーパーに川島を指名したりなど、今までの日本代表いや岡田監督では考えられなかったことだ。そして、それが良い方向に働き、日本はカメルーンに勝った。
2戦目のオランダ戦、日本は負けはしたけど健闘した。カメルーン戦と同じメンバー・戦術で臨んだのが良かったと思う。終わったから言うのではないが、あの試合運びなら、負けることはなかった。オランダに決められた一点、あれは不可抗力だ。誰にも防げなかっただろう。不運としか言いようがない。
ただ、気になるのは、オランダ戦で一点を追う終盤、中村俊輔、玉田、岡崎と攻撃的な選手を投入し、闘莉王を前線に上げる、と点を取りにいく姿勢を見せたにもかかわらず、攻撃パターンは相変わらずで、せっかくの攻撃的布陣を生かせなかったこと。ロングボールを前線にどんどん放り込むとか、パターンを変えてみるべきだったのでは、と思う。前から感じていたが、日本代表は時間帯・点差等の状況が変わっても、攻め方は常に同じ。バリエーションに乏しいというか、死に物狂いの姿勢が見えないというか。そこいらに、歯痒さを感じたのは僕だけではないはず。
とはいえ、日本が決勝トーナメントに進めるかどうかは、最後のデンマーク戦の結果に委ねられることとなった。正直言うと、今回の第三戦は、見ても見なくてもどうでもいい試合になるだろう、と高を括っていただけに、これは嬉しい誤算である。次のデンマーク戦、日本時間で早朝3時半のキックオフらしいが、これは見なければなるまい。デンマーク戦で勝てばもちろん、引き分けでも日本は決勝トーナメントに進出できる。かなり有利だ。ワールドカップで、こんなにワクワクしながら日本代表の試合を見るなんて、8年前の日韓大会以来、いや今回はそれ以上のワクワク感かも。
日本代表頑張ってくれ。期待できない、なんて思っていて申し訳ない。
他の国の試合も、可能な限り見ているが、個人的にはガーナが凄いと思った。あのスピードは尋常ではない。セルビアとの試合は、今大会のベストゲームではなかろうか。
という訳で、まだまだワールドカップは続くのであった(なんのこっちゃ)
注:写真と本文は関係ありません(笑)