僕もちょいちょい利用しているディスク・ユニオンで、オンライン・ショップの顧客情報流出があったのは皆さんご存知の通り。流出の事実が公にされたのが先月末、対応が遅いとかいや悪くないとか、店員がこの会社は終わってると言ったとか、とにかく大変な騒ぎだったけど、原因調査中とのことでオンライン・ショップは未だに閉鎖されたままである。こんなところに事態の深刻さが表れているというか何というか。ディスク・ユニオンなんて、知る人ぞ知る単なる中古(新品もあるが)レコード屋だったのに、この件ですっかり有名になってしまったような気がする。ちなみに、僕もディスク・ユニオンのオンライン・ショップに登録しているので、氏名・住所・メアド等々が流出してしまった訳だ。ただ、あれから迷惑メールが増えた、というのはない。
ネットが発達するとセキュリティも重要になってくる訳で、チェック・認証が厳しくなるのは当然だが、厳しくなり過ぎてめんどくさいと感じる事も多い。実際、さっき何気にアマゾンにアクセスしたら、やたらと認証がめんどくさくなってた(苦笑) ログインしようとする度にスマホにワンタイムパスワードを送ってくるとか、毎回パスワードの変更を要求してくるとか、そういうサイトも増えてきて、いちいち面倒である。とはいえ、知らんうちにSNSなどでパスワード乗っ取られてはたまらんし(僕自身も過去Facebookで経験あり)、対策は必要なのだが、パスワードは定期的に変更しろとか、パスワードの使い回しはせずサイト毎に違うパスワードを設定しろとか、色々とやかましい^^; ま、安全のために理解は出来るのだが、パスワードの変更はいいけど、おそらく一度使ったパスワードは二度と使えないはずなので、定期的に変更を続けていくと膨大な数のパスワードが必要になるし、文字数もひたすら増え続けて覚えられないし、それを目的別にちゃんと管理出来るのか、という問題もある。一体、世間の人たちはどうしているのだろう? ちなみに僕の場合は...と、これは言わない方がいいな(爆)
という訳で、最近買ったCDから(いつもの通り唐突) ディスク・ユニオンで買ったCDもあります(笑) もちろん、店舗ですけど。
これは結構懐かしい。アメリカのシンガー、ジェニファー・ペイジのデビュー・アルバムである。確か、1998年に出てた。いきなりシングルの「クラッシュ」がヒットして注目されたが、その後が続かなかった。チャート・マニアからは一発屋と思われてるんだろうな。
当時、たまたま「クラッシュ」のPVを見て気に入ったので、レンタルして結構よく聴いてた。時代の割にはオーソドックスというか正統派のポップスで、今時こういうのも珍しいかも、と思いながら聴いてた記憶があるが、実際、「クラッシュ」を筆頭に良い曲が多い。全体のテンポも早くもなく遅くもなく、といった感じで、落ち着いて聴いていられる。じっくり聴いても良いし、BGMにしてても邪魔にならないが曲はしっかり耳に残る、というタイプの音楽。ジェニファーの声もいい。個人的には「クラッシュ」の他「バステッド」「ソウバー」などのややアップテンポ気味の曲が好きだが、「オルウェイズ・ユー」や「サムホエア・サムデイ」などのややスローな曲も、当時主流だった大仰な歌い上げバラードになっていないのがよろしい。アンディ・コールドマークという人が、ほとんどの曲の曲作りとプロデュースを行っていて、よく知らない人だが才人と言ってもよかろう。
前述したが、この後「クラッシュ」ほどのヒットが出なかったみたいで、僕もジェニファー・ペイジの事はずっと忘れていた。アルバムは出しているので、地道に活動は続けてきたのだろう。ちょっと惜しいなぁ、実力あるしルックスもいいのに。今となっては、アルバムも入手困難なのが残念。でも、長い大衆音楽の歴史の中では、こういう人たくさんいるんだよね。せめて90年代コンピの常連になって欲しいもの。
こちらも懐かしい名前である。リチャード・マークス。1987年のデビュー・アルバムがヒットして一躍スターダムにのし上がり、勢いに乗って1989年の2ndもベストセラー、デビューからの2年間で全米No.1ヒットを3曲も放ち、正に絶頂期だった頃、満を持して1991年に発表された3rdがこの『ラッシュ・ストリート』だった。この頃リチャード・マークスはほんと好調だったようで、収録曲はどれも粒よりだし、豪華なミュージシャンを揃えたサウンドも素晴らしく、1st・2ndと着実にステップアップして、ついに3rdで頂点に達したという感じの、正に自信作だったに違いない。ただ、残念ながら、本作は前2作ほどのヒットを記録するには至らなかった。
僕個人としては1stが好きでよく聴いてたが、2ndは期待したほどではなかった。「サティスファイド」「ライト・ヒア・ウェイティング」といった名曲が大ヒットした事もあって人気は高いが、全体的にイージーに作ったような雰囲気があって、そこいらが気に入らなかったのだろう。ま、デビューしていきなり売れたんで、リチャード・マークスも忙しかったとは思うけど。それと比べると3rdの『ラッシュ・ストリート』は、売れた事で余裕が出来たのか、曲もサウンド・プロダクションもよく練られて作り込まれた感があり、要するにじっくり時間をかけて取り組む事が出来たのだろう。成果は確実に出ている。結果は残念だったけど。ま、この結果はリチャード・マークスにとっては失意以外の何者でもなかったと思うが、さらに残念なのは、この次に出した4作目の『ナウ・アンド・フォーエバー』が、映画の主題歌になったタイトル曲がヒットした事もあって、そこそこ成功してしまったこと。余計に『ラッシュ・ストリート』の存在は地味になってしまったのである。
リチャード・マークスの音楽性は、”ひとり産業ロック”とも呼ぶべきか、いかにもウェスト・コーストっぽいタイト&ジャストな音をバックに、フックの効いたメロディを魅力的に歌うというスタイルだけど、決してAORやコンテンポラリーポップスではなく、あくまでもロック、言うなればTOTO系の音である。80年代はこの手の音がウケてたし、僕自身も決して嫌いではなかったが、90年代以降はすっかり廃れてしまうので、リチャード・マークスみたいなタイプのミュージシャンにとっては厳しい時代だったであろう。もし『ラッシュ・ストリート』が売れてたとしても、安泰ではなかったかも、と思うし、実際、前述の「ナウ・アンド・フォーエバー」のあとヒットから遠ざかってしまう。余談だが、「ナウ・アンド・フォーエバー」がヒットしたのは映画主題歌というのもあるが、おそらく当時トレンドだったパラード曲だったから、というのが大きかった気もする。けど、リチャード・マークスの本質はバラード歌手ではない。つくづく気の毒な人だな、と思う。才能はあるのに。
Diamonds And Pearls/Prince & The New Power Generation
最近どういう訳か、プリンスをよく聴いてたりするのだが、何故このアルバムを買ったかというと、昔友人に貰ったプリンス名曲集(もちろん友人の趣味で選曲されたもの)に、「~フロム・コックピット」というタイトルの曲が入ってて、凄くカッコいい曲という印象だったのだが、今になっていきなり聴きたくなり、検索してみたら、その曲は『ダイアモンド・アンド・パールズ』に収録されている、という事だったので、ディスク・ユニオンで見つけて買ってみた次第。「~フロム・コックピット」というのは副題で、正題は「リブ・フォー・ラブ」、アルバムのラスト曲だった。初めて聴いてから20年以上が過ぎていて、自分の印象が実際聴いてみると違ってたけど、カッコいい曲であるのは間違いない。
という訳で、フリンスの1991年のアルバムという事だが、とにかくカッコいい。やはり事この人は凄いな、と旧作を改めて聴く度に思ってしまう。基本スタイルはファンクなんだろうけど、色々な要素が感じられて飽きずに聴ける。なんか、有無を言わさずに自分の世界に引きずり込んでいく、って感じだよね、プリンスって。やっぱり天才ってことか。
Looking For Lucky/Hootie & The Blowfish
今回は懐かしい名前が多い(笑) フーティー&ザ・ブロウフィッシュである。1994年のメジャー・デビュー・アルバムが大ベストセラーとなって、こちらもいきなりスターダム(笑) ついこないだの事のように思ってたけど、その大ベストセラーとなったデビュー・アルバムの25周年記念エディションが出てるのに最近気づいた。時の流れは非情だ(爆)
で、本作は彼らの5作目となるアルバムで、2005年に発表された。大変残念なのだが、衝撃的なデビューを飾ったフーティー&ザ・ブロウフィッシュであったが、この頃にはやや地味な存在になっていて、本作もあまりプッシュされてなかったと思う。たぶん自主レーベルからの発売と思うので、そのせいもあるのかもしれない。僕も、実は本作の事を知ったのは何年か経ってからの事だった。デビュー・アルバムを聴いて彼らの虜になり、ずっとチェックしていたんだけど、本作はノーマークだった訳だ^^; で、欲しい物リストに入れておいたら、いつの間にか廃盤になってた^^;
で、ようやく聴いてみたこの『Looking For Lucky』だが、これがなかなか良いのである。もしかして、衝撃的だったデビュー・アルバム以来の出来かも。彼らは元々カントリー、フォーク、ゴスペル等を取り込んだ、いわばルーツ・ロックのバンドであり、決して派手な事はやってないし、斬新なアイデアとも無縁だし、見た目もアレだし、大らかな演奏とダリアス・ラッカーの男臭いボーカルが売りの、ほんと素朴なバンドなのだが、そんな彼らの良さが全て詰まってる感じ。サウンドも力強い。デビュー・アルバム以後そんな雰囲気が薄まっていたような気がしてたもんで、本作は久々にらしくて良い。まぁ、既に15年以上前の作品ではあるんだけどね^^;
フーティー&ザ・ブロウフィッシュは、本作を出した後、2008年に一旦解散(活動休止?)したようだが、2018年に復活し、なんと2019年には新作を出したそうな。アメリン・ロックの良心とも言える彼らのようなバンドが、まだ活動を続けているというのが嬉しい。その2019年の新作も欲しいものリストには入れたので、今度は廃盤になる前にポチッとしないとね(笑)
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