思い起こせば小学生の頃、給食にはいつも牛乳が出てきた。脱脂粉乳ではなく、フツーの白い牛乳である。そう、僕は都会育ちなので、脱脂粉乳は経験ないのだ(どの口で言うか)
今でも、小中学校の給食には牛乳が出るらしい。それはそれで良い事である。が、最近、その牛乳が論争の種になっている、という話を聞いた。
どういう事かというと、かつては牛乳をストローで飲ませていたらしいのだが、ゴミになるので、エコロジーの観点からストローを止めて、パックに直接口をつけて飲むように指導している学校が多いそうな。所が、これに対して父兄から抗議があったらしい。パックに口をつけて飲むなんて、行儀が悪いという訳だ。
学校側は、これに対して反論しているようだが、作法の観点からストローを推奨している学校もあるらしい。識者の中には、エコの上では大事なことなのに、作法の観点で論議されるのはおかしい、と言ってる人もいるようだ。もちろん、ストローなんて大したゴミにはならないのだから、それより直接口をつけて飲む、なんて下品なことは即刻止めさせるべき、と言う識者もいる。
なんというか、レベルの低い論争という気がする。エコエコと騒ぐのなら、紙パックの牛乳ではなく、昔ながらの瓶にすればいいではないか。ストローを失くせばゴミが減る、という考えもみみっちい。反面、口をつけて飲むのは下品、というのも、そんなに目くじら立てなくても、という気もする。皆で飲む2リットルのパックならいざしらず、一人で飲む程度の物なら、口をつけて飲んでもいいではないか。しかし、これを学校が推奨してる、というのもヘンな感じ。ほんとに、どうでもいいこと、と思う。もっと教えなければならない大切なことが、他にもいっぱいあるんじゃないの?
この論争に決着をつけるのは簡単だ。ひとつは、牛乳を瓶にする。口つけて飲んでもいいし、瓶は消毒すれば何度も使えるから、エコにもなるだろう。もうひとつは、生徒各自がコップを持参する。それを使って牛乳を飲み、食後に自分で洗って持ち帰る。いいではないか。エコだし、自分の食器は自分で洗う習慣も身につくし。論争するほどの事ではあるまい。
思えば、僕が小学生の頃は、全員がコップ持参で登校していたように記憶している。もちろん、給食で使うのだ。至極当たり前の事だったけどね。
ま、教育の現場のレベルダウンは、こういう所にも現れるという事か。