連日のお掃除が効いて、もう眠くなりました。
今朝の伊勢物語の話から、頭に浮かんだ芥川の段を検索してみました。
ある男が、長く思っていた女の人を盗み出したという段です。
私は男が女の人を背負って逃避行している間に、男の人の背で女の人が鬼にさらわれてしまうのだと間違えていました。
全文古典の教科書に出ていなかったのか、問題が途中省略で設問になっていた物をしたせいか、
シューベルトの魔王と混同していたのか、
兎に角今回の検索で正しい作品を知る事が出来ました。
それで、在原業平についても再認識できたのが面白かったかなと思います。
丁度この段が、実話では業平が連れ出した女性が追手に連れ戻されてしまったという事でした。
お話では女性は鬼に食べられてしまう事になっています。
悲恋ですね、私は記憶の中の話の筋はどうでも、昔からこの男性に同情していたものです。
前振れの長く思っていたに心引かれ、やっと男性の決心というか段取りが付いたのか、
女性をお屋敷から盗み出すというところにも、男性の並々ならぬ思い入れが伺えて、
この男性に頑張れと応援したくなってしまう物があるのです。
筋立てが良いのでしょうか、すんなりと話に没頭してしまいます。
それで、という感じです。2人はうまく暮らせるのかしら?
そう思っていると、女性は本当に深窓の令嬢ですね、夜の野の草露を見た事が無いという流れもほーっと思わせる下りです。
思わず2人の恋の行く手に興味は募るばかり、と、お蔵入り。
話はお蔵に入ってしまいます。
雷です。でも、雷が鳴っていなくても女性の危難は防げなかったんじゃないでしょうか。
それでも、女性から離れずに男性が寄り添っていれば、この悲劇は防げたのかもしれません。
共に危難に会うとか、助かるとか、そして、その後嘆く男性の詠んだ和歌も胸を打ちますね。
残された者の悲哀が痛切に胸に響きます。
如何したんでしょう、うろ覚えというより、間違えて覚えていたこの段のお話を、
私は今朝、如何して思い出してしまったのかとても不思議です。昨晩、または早朝、夢でも見たのかしら?
離れ離れになってしまった2人ですが、夢で逢いましょうですね。
現実には2人共生きて分かれてそれぞれの人生を歩んで行った。そんなお話も検索で読むことが出来て興味深かったです。