野呂栄太郎のことに触れたおかげで、以前に手に入れておいた 『日本資
本主義発達史』 を開くことになり、「緒言」の頁の間に新聞の切り抜きが挟
まっていました。
「純益増加 鉱業が第一位 十三年末の会社統計」という見出しです。
13年とは昭和13年・1938年のことです。 記事は「商工省では昭和十三
年十二月末に於ける会社統計速報を発表したがそれによると」 ではじまっ
ています、1939年の1月か2月の新聞でしょう。
これを切り抜いた人でしょう、この本にをめくってみると、何ヵ所かの書き
込みと鉛筆及び赤鉛筆で線が引かれた頁がかなりあります。
先日紹介しました 『日本資本主義発達史講座』 に挟まっていた切符も新聞
の切り抜き・書き込み・引かれた線も当時の人の姿を思わせ、「科学的要求」
から学びつつ運動をすすめていたであろう人の、伝言に思われます。