今日昼届いた「奥の細道の旅」通信ですと、昨日時点で尾花沢に到着、現
在は立石寺にむけてテクテクだそうで、「立石寺まであと29.2km42,335歩
で達成です」と書かれています。
芭蕉は尾花沢では10日間も長逗留しています。曽良の日記によれば
(五月)廿七日 天気能。辰ノ刻、尾花沢ヲ立テ立石寺へ趣。 …とあります。
元禄二年五月廿七日=1689年7月13日。
芭蕉が「一見すべきよし、人々のすゝむるに依りて」と書いていますように
当初の計画ではこの山寺をまわる予定はなく、尾花沢で人にすすめられた
のです。 そのことで
閑さや岩にしみ入蝉の声 を残すことになりました。
私たち夫婦が2011年の夏、父の祖先の墓を訪ねた旅の途中、立石寺を
訪れたのは7月のその頃でした。 その時見た記憶はないのですが、山寺へ
向かう中腹に芭蕉の句碑があり、「静さや岩にしミ入蝉の声」とある、そうで
す。 『奥の細道をたどる』 を著わした井本農一さんは「静さや」は、『おくのほ
そ道』 の本文のとおり 「閑さや」 に従うべきで、「シヅカサヤ」と訓(よ)むので
あろう、といわれています。