土地探しは難しい。いろいろな土地があって、隣り合った土地で形や面積が同じようなものでも、微妙にいろいろな要素が異なり、ひとつとして同じ土地はなく、価格も異なる。土地に出会ってすぐ買えばそれは自分のものになるが、高価なものだけに簡単には行かないし、お金をはたいて買ったところで後で後悔することもある。出会ってすぐ買わなければ、後から買おうと思っても、すでに人のものになっていることも多い。土地との出会い。それはほとんど一期一会だ。自分が長くつき合える土地を真剣に探そう。
今の自宅の土地を買うまでに、鎌倉市内で土地を探してまわった。上の画像は私に「鎌倉に住もう!」と思わせることになった最初の土地の近くの岩のトンネル。鎌倉市扇ガ谷の奥、海蔵寺のさらに奥にある。その土地はこのトンネルを抜けないとたどり着けないところにあった。トンネルの幅や高さはそれぞれ2.3mくらいだったか。あなたがもしどうしてもハマーを所有し、乗りたいなら、ここには住めないということになる。
土地の所有者は海蔵寺だった。お寺さんの借地なのだ。鎌倉市内にはお寺さんの借地が多い。市内でも旧鎌倉は道が狭いところが随所にある。歴史的に古いということもあるが、寺の借地が多く、道路沿いの風景が昔のまま美しく残っているところがある。
件の土地のお隣は高名な学者さんのお住まいだった。周囲は風情があって緑が滴り、これぞ鎌倉!って所だった。谷戸の奥で、かなり湿度は高そうだった。いろいろな土地があるものだ。私はこの土地を買うのを見送った。その後「やっぱり買おうかな」と思って不動産屋に行ったら、もう買われていた。買ったらよかったのか、止めてよかったのか、個性が強いだけに今も結論が出ない。それほど強烈な土地だった。