「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

正調英国田舎紳士的服飾学(2) James Lock & Co., Ltd.

2008-12-18 21:34:27 | モノ・お金
次も王室御用達だ。タダもんじゃないよ。前回のHunterなど、1676年創業のこのLockにまったく及ばない。ロンドンのタクシー・ドライバーに名前を言っただけでそこまで連れて行ってもらえるという意味では、こんな小さな店なのにLockはバッキンガム宮殿、ハロッズ百貨店、ロンドン塔並みなのである。



恐ろしいほどの歴史を誇る帽子屋さんである。ここの帽子を被った著名人は多い。顧客としては古くはネルソン提督(!)がいる。ワーテルローの戦いのウェリントン公が長靴なら、トラファルガー海戦の名将は帽子だ。チャーチル首相もそうだ。日本では現天皇陛下(皇太子時代)、吉田茂首相、白洲次郎・・・そしてこの私(?)である。 下の画像は私の帽子の裏側にある、Lockのロゴだ。



その帽子の表地はこれだ(↓)。大きなチェック柄のツイード生地で、カントリー度満点の帽子である。日本風に言うとハンチングという形である。



私はLockのツイード生地の帽子をもう1つ持っている。細めのツバがグルッとついて高さもある帽子である。My Fair LadyでProfessor Higginsがしばしば被っていた帽子に少し似た形だ・・・と言ってもわかり難いだろうから画像を載せる。久しぶりに見たが亡きレックス・ハリソンはやはりカッコいい。今にもあのアクセントでペチャクチャしゃべり出しそうである。"I ask you, sir, what sort of word is that?"



下の画像はその帽子の裏側を撮ったもので、縦に何本も走るシッカリしたステッチにご注目頂きたい。この帽子は"crushable"と呼ばれる仕組みで、仮にグシャッと折りたたんでカバンの中にしまっておいても、そこから出した瞬間上記のステッチが効いて、元に戻る仕掛けになっている。とても丁寧な作りなのである。



Lockはこうしたツイード生地のカントリー調の帽子ばかりを作っているわけではない。トップハット他、アスコット競馬場や半世紀前の金融街シティで被っていても不思議は無い超フォーマルなデザインの帽子を多種作り続けている。夏のボート遊びで使う藁製の帽子もある。さらに女性向けの帽子も数多い。

Lockのカントリー趣味豊かな帽子を被り、前回ご紹介したHunterのウェリーズを履けば、あなたも立派な英国田舎紳士だ。game(狩り)にだって出陣出来る(下の画像だ。なんとも愉しげな画面構成である)。



直接お店に行けるなら、そこで老舗の対応を経験すると楽しい。とにかく一流だ。あなたが望まなければ放っておいてくれるし、質問すれば懇切丁寧にあれこれ答えてくれる。しかし「お買い得です」なんてことは一言も言わない。老舗とは、そんな必要の無い店のことを指すのであろう。そしてあなたが勝手な希望を言えばその希望もかなえられるのである(ただしお金はかかる)。

直接の訪問が出来ない時は世界中どこからでも電話、Fax、インターネット、何でもLockに注文が出来る。正当な注文ならば正当に受け付けられ、下の画像のような計算書とサイン入りレター付きで型崩れしないよう立派な箱に入れられて、ご希望の帽子が確実に自宅に届けられる。まずは情報収集から始めよう。Lockに関するほとんどすべてのことはこの老舗のHPでわかる。

http://www.lockhatters.co.uk/

コメント (4)
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