「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

正調英国田舎紳士的服飾学(3) J. Barbour & Sons Ltd.

2008-12-21 09:18:41 | モノ・お金
最近日本でもお馴染みになったBarbourは19世紀の創業で、歴史においては前の2社に及ばないのだが、知名度や普及度では世界的に圧倒的な強さを持っている。三井物産が絡んだりしたので90年代からの「英国ブーム」に乗り、日本でもあちこちで製品を見かけるようになった。



上の画像は、私の帽子の裏地に付いたBarbour社のロゴである。これもまたマークが3つ並んで王室御用達だ。この帽子の外観は下の画像のとおりである。同社の有名なワックス・コットン・ジャケットと同じ素材、加工で防水はバッチリだから、この帽子とジャケットがあれば多少の雨でも傘など不要なのである。いや傘などない方が両手が空いて便利だし、コスチュームからしてそれが似合う。



Barbour社の名前を世界に知らしめたのは、なんと言ってもそのワックス・コットン・ジャケットである。水は中に通さずして湿気はは外に吐き出すというハイテク衣料素材などなかった昔、Barbour社は頑丈なコットン生地にワックス(ロウ)を塗りつけてこの防寒防水ジャケットを作り出した。これがあれば雨天も平気だ。中に専用のインナーを装着すれば日本のほとんどの地方で防寒着として十分機能するだろう。温暖化した関東平野なら暑いくらいである。

下の画像は我がジャケットである。今では買えないGamefairというモデルだ。13年前ロンドンに仕事で行った時に買ったモノなのだが、その当時仕事で付き合いのあった典型的皮肉屋で知日派でもある英国人に私は「Barbourのジャケットをどこで買えばいいかな?いくらするかな?」と尋ねた。彼の答えはこうだった。「そんなことを私は知らない。英国では成人したらアレを買う人が多い。でも皆一旦買ったらずぅ~~っと手入れして使うんだよ。日本とは違うんだ。私も持っているよ。でも私がアレを買ったのは20年以上前で、その時の価格は今のそれと違う。だから私は今の価格を知らない。どこで買えば良いかって?どこでも売っているさぁ。ハロッズでもセルフリッジズでもヒースローの免税店でもね。そこのリリーホワイツでも行ってみたらどうだい?」

私はその直後リリーホワイツ(スポーツ用品店)でこのジャケットを買った(Attention!: ちなみに昨年私はリリーホワイツに立ち寄ったが、もはやBarbourのジャケットを売っていなかった)。確かその時の価格は125ポンドだった。



最近世界的にコートやジャケットの丈が短くなる傾向がある。このジャケットもそうだ。今最も売れる同社のジャケットのモデルはBeaufortと呼ばれ、私のGamefairよりかなり丈が短いのである。日本で売られているのもたいていそのBeaufortだ。都内ではそれも良かろう。しかし本来このジャケットを着るべき自然環境というのは都内の雑踏ではなく、ジャケットにある程度の長さを必要とするものである。このジャケットは、藪の中も歩くし雨が降っても帽子を被りウェリーズを履いて傘をささずに濡れて歩くためのものなのだ。然るに「短ければ短いほど良い」として、乗馬用に作られたチョー短いBedaleというモデル(昔英国に住んでいた頃、このBedaleを着て郊外で颯爽と乗馬を楽しむ女性をよく見かけた)を着て渋谷を歩く若者も最近では現れる始末で少し滑稽ですらある。煩いおじさんはそんな渋谷の若者に声をかけたくなる。「君、使い方を間違えとるよ。乗馬するのかい?物事はまず原則を理解してから実践せよ」

このジャケットはたまにワックスを塗ってメンテナンスすることが必要になる。さもないと見た目に変だし、防水機能が衰える。Barbour社の注意書きに「当社オリジナルのワックスをご使用下さい。さもないと生地を傷めることもあります」とあるが、私の経験ではそれはない。私は今はオーストラリア産の安いワックスを使っているが、まったく問題がないのである。しかもここだけの話、Barbour社のものよりそのワックスの方が塗りやすいのである。



Barbourはアクセサリーも作っている。上の画像は私の皮製のカバンである。軽く頑丈で毎日の七里ガ浜・東京間の長い通勤にピッタリだ。こうしたカバンは本来はgame(狩り)や釣りでの使用が主目的なため、ふたの開け閉めが早く簡単に、しかも片手で出来るようになっている。これもまた皮革用油脂を塗ってメンテナンスすることが必要となる。私もそれを昨日久しぶりにやった。

さて、これまでご紹介したようなウェリーズを履き帽子を被ってジャケットを身に着けカバンを肩から掛ければ、下の画像(前回掲載したモノと同じ)の右側の人のような様相を呈することになる。もう冬至だというのに今日も出鱈目に暖かい七里ガ浜で、このコスチュームに合う場所はそうそうない。広町緑地あたりのみであろうか。しかし八ヶ岳西麓なら秋から春までこれで問題なしだ。いやむしろ周囲の景観ともすこぶる合うだろう。



HPはこちら: http://www.barbour.com/
コメント (2)
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