Reflections

時のかけらたち

Minamata と Drive my car

2022-09-09 23:57:00 | movie

借りていたDVDミナマタとドライブマイカーを軽井沢から帰って、ちゃんと見ました。思えば軽井沢に持って行けばよかったかも。
全く違う種類の映画で結果、Minamataの方だけ強く印象に残りました。

Minamata ミナマタ   2020年 アメリカ

監督:アンドリュー・レヴィタス
音楽:坂本龍一
脚本:アンドリュー・レヴィタス他
撮影:ブノワ・ドゥローム
キャスト:ジョニー・デップ、美波、真田広之、國村隼、加瀬亮、浅野忠信、ビル・ナイ
 
キャストは共同製作のジョニー・デップが別人のようによかったです。アイリーン役の美波は初めて知りましたが、
違和感のないキャスティングでそのほかの俳優はアメリカ映画でよくこれだけいい日本人の俳優を集めたと思うくらい。
 

【ジョニー・デップが警鐘】いまも続く水俣病との闘い 世界に伝えた写真家の遺志

 

実際のアイリーンとユージン・スミス

 

 ユージン・スミスの代表作の一つ

実際のユージン・スミスの眼差しが暖かく感じられました。実際にミナマタで暮らし、住民たちと親しくなり
数々の妨害にあっても写真を撮り続けたユージン・スミス。

真実とフィクションを取り交ぜた人類への警鐘を込めた映画でした。

映画の中で印象に残った言葉
・人生は失敗を通してからしか学べない。
・写真は撮る方の魂の一部も奪い取る。無傷ではいられない。

映画のエンドロールで今地球上に存在する公害が次々に現れ、問題の大きさを再び呼び覚まさせる映画でした。

 

 

ドライブ・マイ・カー

監督 濱口竜介  原作 村上春樹 脚本 濱口竜介 大江嵩允 音楽:石橋英子 撮影 四宮秀俊
キャスト 西島秀俊 三浦透子 岡田将生 霧島れいか パク・ユリム

この映画がアカデミー賞や、ゴールデングローブ賞、カンヌで賞を取ったのはちょっと意外な感じもしました。
カンヌはあり得るかな・・ アメリカ人にこのチェーホフ劇を中心に回るゆったりとした世界が称賛されたのが
驚きでした。

この映画のチェーホフ劇に見られるような手話も含む多言語での相互理解、コミュニケーションがこの映画のテーマ
であったと思います。現実の世界では、主人公が妻に対して思いを疑問をぶつけなかったことが最大の後悔で
あることに気づかされて、浄化していくそんな感じでした。妻に残した謎などありません。そのままを受け入れて
行くだけです。

私は車から見る東京って結構美しくて好きです。最近はあまり行くこともありませんが、湾岸を乗せてもらうのが
好きで橋がとてもきれいです。

印象に残った言葉
・言葉よりたくさんのことが理解できることがあるコミュニケーション。
・チェーホフ 一番恐ろしいのは真実を知らないこと。
・自分の心と上手に正直に折り合いをつけて行く。
・本当に他人を見たければ、自分自身を深く見つめるしかない。(これは「シェイクスピアの庭」でも似たような台詞がありました。)
・現実をありのままに受け入れること。謎はない。
・正しく傷つくべきだった。やり過ごしてしまった。見ないふりをし続けた。自分自身に耳を傾けなかった。
・ぶつかること。本心をぶつけ合うこと。
・他の人のために生きる。

最後にかすかな希望の見える映画でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする