ハムレットと同時に借りていたのが是枝監督の「真実」。
後から当時パリにいてドキュメンタリー映画の監督をしていた姪がこの映画のメイキングを作らないかと
誘われたけれど、その時妊娠していたのでそちらを取ったと聞いたことを思い出しました。
今ではその輝くいのちと共に輝いている彼女です。パリからジュネーブ、ウィーンと移転して、とうとう
今度はウガンダへ大使館勤務のパートナーと移動することになりました。一度遊びに行きたかったのだけれど。
彼女はコンゴの日本大使館に勤務したことがあるので、子供にアフリカを経験させたかったと話していました。
フランスに戻り、1か月準備してから、ウガンダに行くとのことでした。
2019年製作/108分/G/フランス・日本合作
原題:La verite
「万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、初めて国際共同製作で
手がけた長編作品。母と娘の間に隠された真実をめぐる物語を、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブと
ジュリエット・ビノシュの共演で描く。フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを
祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロット
を連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが
書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに
母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。女優として優れていることを何よりも
優先するファビエンヌをドヌーブ、娘のリュミールをビノシュが演じた。そのほかリュミールの夫ハンク役で
イーサン・ホーク、ファビエンヌの共演女優役でリュディビーヌ・サニエら実力派キャストが顔をそろえる。
2019年・第76回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。日本人監督の作品として初めて、同映画祭
のオープニング作品として上映される。
監督・脚本・編集 是枝裕和
製作 ミュリエル・メルラン 福間美由紀 マチルド・インセルティ
撮影 エリック・ゴーティエ
美術 リトン・デュピール=クレモン
衣装 パスカリーヌ・シャバンヌ
音楽 アレクセイ・アイギ
キャスト
カトリーヌ・ドヌーヴ
ジュリエット・ビノシュ
イーサン・ホーク
是枝裕和『真実』予告編
私の好きなジュリエット・ビノシュとイーサン・ホークが出ているこの映画。カトリーヌ・ドヌーヴの圧倒的な
存在感と、ジュリエット・ビノシュの内面があふれ出る演技、味のあるイーサン・ホークと誰を取っても素晴らし
かったです。
カトリーヌ・ドヌーヴはまるで彼女自身がそこにいるような映画でしたが。学生時代に「シェルブールの雨傘」を
見たけれどあの可憐な女優が見事な貫禄です。
フランス語の映画ですが、まるで日本映画のように感じました。小津の世界にも似ているものがあるかも。
ぶつからないと人間って分かり合っていかないものなのだと思いました。「ドライブ・マイ・カー」はそれを避けた
映画でした。家族という一番近い存在はそれだけに厄介なものです。誰もが難しさを抱えています。その根源は「愛」
です。ここでは少しずつとけて行く感じがすごくよかったです。内容はすごくシビアなものですが、ほのぼのとした
余韻が残ります。母と娘の確執はあっても、激しくなく静かな映画で光が見えました。音楽も最初のシーンの庭の木の
枯れ葉が風に舞っている映像も良かったです。