Reflections

時のかけらたち

ファビオ・ルイージの季節の始まり  ・・・ opening of Fabio Luisi's season with NHK Symphony Orchestra

2022-09-11 23:55:56 | music

数年前から首を長くして待っていたファビオ・ルイージの日本でのシーズンがやっと始まりました。
パンデミックで生の音楽を聴く機会が長い間失われていた私たちにとって、彼がN響の首席指揮者に
なったことがうれしいニュースでした。

コンサートに行く前に9月4日のEテレクラシック音楽館を録画していたのを見てみました。
ベネツィアでのカルミナ・ブラーナ公演の様子をやっていてサンマルコ広場でのコンサートは素晴らしく素敵でした。
町に活気が戻ってきて、みんな喜んでいました。
音楽は演奏者と聴き手で一緒に作るものとファビオ・ルイージは語っていました。そこで出会ってこそのもので、
コロナで機会を失って、ますます芸術の価値を再確認していました。

コンサートの前日、NHKのニュース番組の中でエリザベス女王の突然の訃報という世界的なビッグニュースの後
インタビューの様子が流れていました。そのことを教えていただいたのでNHKプラスの見逃し配信も見ておきました。

演奏曲について下記のようなコメントがありました。

これはジュゼッペ・ヴェルディの傑作であり、オーケストラ、ソリスト、指揮者にとっても、聴衆にとっても、
かかわるすべての人にとって非常にスピリチュアルなインパクトがある作品です。

これはまた、哀悼についての作品ではなく、希望を持ち、死について考えることについての作品です。ある意味、
私たちの人生の一部である死について考え、それに対して前向きな気持ちを持つことができる作品です。つまり
これは悲しい作品ではなく、希望と美に満ちた作品です。この主題について考えることは多くの人にとって
難しいことですが、私にとってこれは無限の美しさと奥深さを持つ曲です。

・・・前向きな見方を、私たちがどのように死と向き合うか、どのように運命と向き合うかということです。
それは私たちの運命だからです。(死は)私たちの運命であり、人生の一部です。とです。それは私たちの
運命だからです。(死は)私たちの運命であり、人生の一部です。私たちは人生について考えるとき、その最初
から最後までを考慮に入れなければなりません。人生には始まりがあり、終わりがあります。その最後を迎える
ために準備をすることはとても重要だと私は考えています。この作品は私たちがそれを理解するために役立つと
思います。重要なのは人生が終わることではなく、そのためにどのように準備をするかということです。

・・・音楽だけでなく、芸術全般が重要です。それが人間と動物を分けるものだからです。私たちが芸術を鑑賞し、
芸術が私たちをより豊かにしてくれるために、私たちはより高い次元に引き上げられます。人間だけが持っているもの
です。それは本当に重要なことです。それによって私たちは精神性を養い、人生の意味を見出すことができるからです。

2022年9月10日 (土) 開演 6:00pm
NHKホール
曲目 ヴェルディ/レクイエム
指揮 : ファビオ・ルイージ
ソプラノ : ヒブラ・ゲルズマーワ
メゾ・ソプラノ : オレシア・ペトロヴァ
テノール : ルネ・バルベラ
バス : ヨン・グァンチョル
合唱 : 新国立劇場合唱団

ホールから新宿方向を眺める。

こちらは反対側から。

3階の後ろの方でちょっと遠かったかな・・・

 

 

 

 


今回の演奏会で特に素晴らしく思ったのがテノールのルネ・バルベラ。
そのまっすぐの伸びる透明性の高い音楽はレクイエムにふさわしいものでした。
      

 

 

演奏者も聴衆も一つの感動の中にいました。拍手はどれほど続いたでしょうか・・・
ファビオ・ルイージ氏の首席指揮者就任をオケも聴衆も歓迎の渦の中にいました。

 

 

 

レクイエム  人間の罪に対して救いと許しを乞う音楽

       パンデミック後の再開第一弾のプログラムはミラノでもメトでもヴェルディのレクイエムだったそうです。
       ダイナミックかつ繊細でオペラのようなメロディアスな歌。危機の時の勝負曲として世界中で愛されてきた
       とプログラムに書かれていた。 ファビオ・ルイージのN響首席指揮者のデビュー曲にふさわしいスケールの
       大きな曲でした。ドラマティックで宗教音楽の中にオペラのアリアの要素もあり、俗っぽいとの評価もありますが
       そこが魅力的とも言われています。

 

モーツァルト、フォーレはよく聴いたことがありましたが、一番聴かなかったレクイエムかと思います。父の叔父で画家の
庫田 叕が妻、馬淵美意子を亡くした時だったかちょうどTVに出演していて、ヴェルディのレクイエムが、レクイエムの中では
一番好きと語っていたことがありました。その時に出ていたベールをかぶった女性が自然に向かって後姿の絵がありましたが
作品展のパンフレットなどで探しても見つかりませんでした。

 

この曲を聴きながら、一緒に祈っていた私がいました。
深い祈りの音楽でした。

 

 

帰り道に見た中秋の名月

 

September 10  2022   Harajuku

 

コメント
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