カズオ・イシグロ、中央公論社。
この人の本は、初めて読んだ。
だから、笑える部分があるんだけど、
笑いを取ろうとしてやってるのかどうかよくわからん。
でも、かなり良かった。かなりの完成度と思う。
何で読もうと思ったのか・・・思い出した。
前に読んだ、執事と少年の金鉱堀のはなし。
ゴールド・ラッシュだっけ、あれの解説か何かになかったか。
大人向きだけど、「執事」のことがかいてある本だ、と。
てなわけで。
執事です。
語り手の執事のスティーブンスが休みをもらって、
以前女中頭をしていたミス・ケントン(ミセス・ベン)に会いに出かける。
道中で、1930年代の思い出が語られる。
執事とは、こういうものだ!
という感じかな。
「主従」という言葉では表現できない諸々が、
主人と執事の間には、あるのだ。
堅物過ぎる主人公が、当時、見過ごしたといっていいのか、
手に入れなかった恋のおはなしがもう一つの流れ。
幸せになった女性を見送り、ラスト、老人が主人公に語りかける。
夕方が、一日の中で、いちばんいい時間だ、と。
仕事にかまけ、父の死を看取れず、ミス・ケントンのアプローチに事務的に答え、
ダーリントン卿が選ぶ道を、黙ってついて行く。それが、没落の道であろうと。
後悔してもどうにもならない人生を、悔やんで振り返るのではなく、
前向きに楽しむのだ。
老人の言葉が、切ない執事の人生を、
ガス灯のような明かりで、その残りを照らす。
この人の本は、初めて読んだ。
だから、笑える部分があるんだけど、
笑いを取ろうとしてやってるのかどうかよくわからん。
でも、かなり良かった。かなりの完成度と思う。
何で読もうと思ったのか・・・思い出した。
前に読んだ、執事と少年の金鉱堀のはなし。
ゴールド・ラッシュだっけ、あれの解説か何かになかったか。
大人向きだけど、「執事」のことがかいてある本だ、と。
てなわけで。
執事です。
語り手の執事のスティーブンスが休みをもらって、
以前女中頭をしていたミス・ケントン(ミセス・ベン)に会いに出かける。
道中で、1930年代の思い出が語られる。
執事とは、こういうものだ!
という感じかな。
「主従」という言葉では表現できない諸々が、
主人と執事の間には、あるのだ。
堅物過ぎる主人公が、当時、見過ごしたといっていいのか、
手に入れなかった恋のおはなしがもう一つの流れ。
幸せになった女性を見送り、ラスト、老人が主人公に語りかける。
夕方が、一日の中で、いちばんいい時間だ、と。
仕事にかまけ、父の死を看取れず、ミス・ケントンのアプローチに事務的に答え、
ダーリントン卿が選ぶ道を、黙ってついて行く。それが、没落の道であろうと。
後悔してもどうにもならない人生を、悔やんで振り返るのではなく、
前向きに楽しむのだ。
老人の言葉が、切ない執事の人生を、
ガス灯のような明かりで、その残りを照らす。