河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

わたしたちが孤児だったころ

2007-07-29 21:16:24 | 読書(小説)
カズオ・イシグロ、早川書房。
「日の名残り」が面白かったので、べつのを、ってことで、
有名どころを選んでしまった。
ぜんっぜんちがう。
おもしろ。
同じ人が書いてるって明らかに分かるのに、明らかに違う。
解説には、これ以後本領発揮していくとあるけど。
1930年代のロンドンと上海が舞台。
クリストファー・バンクスは、幼い頃父母を失う。
探偵として名をはせた今、その謎を解くべく、上海へ向かう。
3人の孤児が出てくる。クリストファーとサラとジェニファー。
探偵の謎解きに、サラとの恋(といっていいのか)や養女の物語が紛れ込む。
なにせ、一人称が探偵なので、おいおい、と思っても、思いこんでるから、
上海の銃撃戦の中に無理矢理入り込む彼について行くしかない。
彼が見つけた日本兵は、ホントにアキラだったのかよーとも思う。
一人の人間の目を通して書けば、ホントはこうなんだろう。
怒りにまかせていらんこといって後悔したりする。日の名残の執事とおなじ。
ミステリーとしての、物語のラストは、ま、主人公と一緒にだまされているのだから
こんなもんかなーとおもう。衝撃的といえば衝撃的。
そして、静かな人生の終わりが、近づいてくる。
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漱石先生の事件簿 猫の巻

2007-07-29 12:12:10 | 読書(小説)
柳広司、理論社。
読んだのに、感想書いてなかったな。
児童文学らしいけど。
夏目漱石の「吾輩は猫である」をかみ砕いてアレンジしたような作品。
ミステリであるらしい。
猫、中学生くらいの頃読んだんだけど、作者があとがきで言うように、ストーリーは全然覚えてない。
寒月先生の完璧な球体を作る話だけは覚えていて、あ、出てきた、と思った。
元ネタを覚えていないので、コメントするのもなんだかなーという感じ。
どのくらいアレンジされてるのかもわかんないし。
先生がたいがい変な人になってるんだけど、元からそうだったのか、
えらく誇張されているのか、それすら判断できないので。
もっかい読み直せ、という話もあるが。青空文庫で読めるだろうし。
というわけで、たぶん、読み終わってもやもやっとしたので、書かなかったんだろうな、感想。
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