河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

シンデレラ・ティース

2007-10-08 21:52:03 | 読書(小説)
坂木司、光文社。
ティース、は、歯。
歯医者が舞台の、ほんわかミステリー。
私も歯医者が苦手だから、近づいてない。たぶん、虫歯がいっぱい。
こんな歯医者が会ったらいいのにねえ。
大学2年のサキ(咲子)がいく羽目になったアルバイト先は、歯医者。
歯科医と歯科衛生士と歯科技工士と、そして受付嬢。
詰め物が外れて先日来院した女性の恋人が、長時間拘束するなとクレームをつけてきた。
そのわけは。
口臭、歯ぎしり、整形、歯医者嫌い、様々な客がいる。
前作はこの人、クリーニング屋だったけど、まあこういう客商売、いろいろネタはあらあな。
知ってるようで知らない世界だからねえ。それぞれに専門性があるし。
表題作は、いつも泊まらずに帰っちゃう恋人、そのわけは、歯のせい・・・ってことでなるほどタイトル。
でも、最終話もうまいこと、びったりの詰め物を作ってくれる王子様出現、ってあたりでつながる。
なんつーかほのぼのかわいらしいラブストーリーもこのお話の一つの筋でもある。
若い日の恋、という感じで曖昧に終わるあたりはいいと思うが、先生と高校生はどうかと。
節々でうまいな、と思うけど、読む人を選びそうな本だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏彦の影法師

2007-10-08 21:32:58 | 読書(その他)
山本伊吾、新潮文庫。
こういうのって、あんまり読みたくないような、読みたいような。
好きな作家の、プライベートをのぞくわけで。
家族の感傷とかにはかかずらいたくないし。
とりあえず、後者の心配は、皆無だった。
息子である伊吾さんの、父の描き方は、かなりクール。
主人公は、あくまで夏彦さん。
著者は、肉親でありながら、ノンフィクション作家並の存在感だった。
夏彦さんが、十代にどうして自殺しようとしたかは分からないままだったけど、
若い日のデカダンな日々が日記から伺え、
小4で書いたという「人の一生」という一文から伺える厭世観が、
父とか祖父の存在とかから育ち、そこへ父の死、その日記を読むことで、
そういう方へ追いやったのかな、と。下世話だねえ、私も。
・・・人間って、ほんとに面白いなあ、と思う一冊。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さな世界

2007-10-08 21:23:59 | 読書(マンガ)
小路啓之作品集。1とあるが、2の予定はあるのか。
「イハーブの生活」の人。イハーブは連載中に読んでたな。
独特の世界。
切り口が、奇想天外。
だけど、「運命の人」はかなりふつうの恋愛漫画だった。
イハーブくらい予想不可能だったのは、「十代の潜水生活」かな。
表題の「小さな世界」は、世界がでんぐり返ってまたひっくり返って、
でも、絶望とかのラストではなく、なんか希望が残っている。
それは、どの短編にもいえるかも。
同時に売ってた「かげふみさん」は、ちょっぴりエッチなのでやめた。
絵が、古いのはシンプルだったのに、新しいのはけっこう線が増えて
ふつうの漫画っぽくなってしまったのが、残念。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする