河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ヴェネツィアの陰の末裔

2023-11-09 19:55:52 | 読書(小説)
上田朔也、創元推理文庫。
舞台は、16世紀ベネツィア。
幼少時の記憶をなくし、孤児院に拾われた、
主人公ベネデットは、魔力を発動し、
ベネツィアの魔術師として働いている。
ドルイドの魔法がそのまま、ベネツィアで生き残っている、
史実に紛れ込ませたそれっぽい歴史の語りとか、
詠唱が長すぎるから腕輪にあらかじめ封じでおくとか
バトルものの漫画やアニメでツボになりそうな設定が面白い。
巻末に掲載された佳作受賞作をかなり改変してできた様子。
オスマントルコとフランスとハプスブルクとの陰謀合戦とか
ヴェルギリウスの呪術書をめぐる争いに、
ベネデットの失われた過去や、相棒の護衛剣士リザベッタの親の仇や
師匠バルダードや上司のセラフィーニ等、諸々複雑に絡み合う。
この人が黒幕で、こっちは違った〜とか。
結局ヴェルギリウスの呪術はどんなもんかとかは
わからないままだったけど、まあこれでアリはアリ。
自信満々の坊ちゃん魔術師イルデブランドがいい味出してる。

続きは難しそうな話だったけど、舞台設定は使えそうだが。
こないだ出たこの人の新刊はどんなだったっけな。。。

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