河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

はるかな国の兄弟

2007-05-09 22:12:14 | 読書(小説)
アストリッド・リンドグレーン。岩波少年文庫。
長靴下のピッピやカッレくんの作者。
「死」が多い。
初っぱなから、カール(クッキー)少年は死にかけている。
兄のヨナタン、金髪碧眼何でもできちゃう13歳、にあこがれる、
病弱な少年は、兄に死に別れ、自分も死ぬ。
死んだあと、ナンギヤラという国に、引っ越すというか、なんというか。
死後の世界も、怪物カトラはいるわ、圧政者はいるわ、ぜんぜん落ち着かない世界。
死んだ後、再会した兄弟は、この国の圧政者を退治し、幸せに・・・と思いきや、
また死にます。
児童文学の割に、人がたくさん死にます。主人公すら。
しかもラストは、それってどうかと思うぞーっていう。
なんか後ろ向きっぽい。
戦い自体は、前向きというか、すべての人のために、っていう感じだが。
悪くはないが、あまりいい印象はない、お話。
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西風のくれた鍵

2007-05-01 23:35:24 | 読書(小説)
アトリー、岩波少年文庫。
次は「時の旅人」読もうかな・・・
ピクシーのスカーフ/雪むすめ/鋳かけ屋の宝もの/
幻のスパイス売り/妖精の花嫁ポリー/西風のくれた鍵
イギリスファンタジー。
働く少年少女、貧しい家、そして妖精。
「雪むすめ」に出てくる北風、いいなあ。最後はいいとこ持ってった。
西風はやさしいんだって。でも、「西風のくれた鍵」のなぞは
なんだったんだか、よく分からなかった。
ジョン少年が、鍵に見立てて木の実で開けた、木の扉、
これが西風のしかけたなぞなぞなのか。
カエデは、夏の思い出を抱き、トネリコは心の奥で歌を歌い、
500歳のカシは昔を思い出していることを、少年は知った。
頭で考える必要は、ないんだ。感じればいいんだ、きっと。
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クローディアの秘密

2007-05-01 23:26:12 | 読書(小説)
カニグズバーグ、岩波少年文庫。
大貫妙子の「メトロポリタン美術館」まるっきりこれだ。
弟を連れて家出した少女クローディアの行き先は、
ニューヨークのメトロポリタン美術館!
行きたいなあ。
バイオリンとトランペットのケースに着替えを詰め込んで、
守衛の目を逃れ、ビクトリア調のベッドで眠る・・・。
原題は、「ベシル・E・フランクワイラー婦人のごちゃ混ぜの書類から」
読めば、そのまんまですけど。
日本語のタイトルは、家出にこだわったクローディアの気持ちが
込められていて、訳者はいい人だなあと思っちゃう。
クライマックスは、二人が書類入れの中から、正解の書類を探す場面、
ではなく、婦人と少女の駆け引きだと、訳者は判断したんだろう。
いいねえ。
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