河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

少年八犬伝

2007-09-09 22:49:58 | 読書(小説)
小野裕康、理論社。
うひゃ。何年ぶりに読んだんだ。
中学生の頃読んで、面白かった覚えが。
でも、面白かったのは上巻で、下巻はそうでもなかった。
という記憶だけが残っている。
その本が、大幅に加筆修正されて復刊してたから、
ちょっと怖いもの?見たさに、も一度読んでみた。
覚えてないモンだねえ。
細かいところやオチは全く記憶にございません。
お父さんのいい加減ぶりが好きだったけど、そこは変わらず。
しかし、大人になったので、ちょっと冷静に眺める。
大人の書き方が、とても子供らしく、子供の目からして違和感がない。
しかし、いまでも公務員が怖いとかやだとか思うんだけど、
そういう気持ちは、もしかしてこの本で植え付けられたのかも。
と思った。
あんな大人にはなりたくない。
と思った気持ちを忘れないでいよう。
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名もなき毒

2007-09-08 22:45:46 | 読書(小説)
宮部みゆき、幻冬舎。
こわいよー。
この人の現代物は、ほんとに怖い。
テーマは、「毒」。
シックハウス症候群や土壌汚染、そして、人の心に溜まる毒。
その毒には、名前なんてない。
読み始めて、「誰か・・・」の杉村さんの話だと分かった。
自分と全然違う主人公をリアルに作ると、
続編とか作りやすいのかなあ。
この本の世界に、夫婦と娘、それぞれの父母と兄弟がいて、
職場の同僚などなどいろんな人が作り出されている。
妙なところに感心。
で、この本は、「誰か・・・」ほど後味は悪くないけど、
自分は悪くないはずなのに、勝手にねたまれる、幸せな家庭。
というあたりに、いやなものを感じる。
でも、ラストで主人公の妻が、あの家には住みたくない、という。
それが許される、身分。
毒を、生み出させることになるものが、妻の中にある。
表紙の、黒い背景に浮かぶ家族3人の明るい窓、暗い瓶。
なんともなあ・・・
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終焉の詩

2007-09-08 14:18:55 | 読書(小説)
高里椎奈、講談社。
フェンネル大陸 偽王伝、シリーズ最終巻。
で、フェンネル大陸って名前出てきたっけ?
ラストシーンで、テオとフェンがまたどっかいってしまったので、
王になるのかと思いきや、「フェンが偽王になったときのおはなし」ってところで幕。
所詮子どもだから、人の心をつかんでも、今だけ、ということ分かってやってるのか。
いろんな死んだはずの人が生きていて、ちょっとがっくり。
アシュレイにもあっさり帰れるところがあって、拍子抜け。
いいけど。ハッピーエンドだし。でも。
まだ続くらしい。第2章とか。
「偽王伝」は、「王とはなんぞや」ってあたりがテーマといっていいか。
リノみたく、自分の真の王は、民だというのは良かったな。
自分のことで手一杯になるとなかなかそんなこといってられない。
そこをなんとか、いつもそういう冷静な目を持っていたいもんです。
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かかしと召し使い

2007-09-02 22:13:09 | 読書(小説)
フィリップ・プルマン、理論社。
黄金の羅針盤とか、ライラの冒険シリーズは長いので読んでないけど。
たぶん、全然違うノリなんだろう。
おバカ。
もともと、蕪でできてるかかしだ。蕪頭=能なしを意味するくらいだし。
スケアクロウってかかしだったっけ・・・ライトハウス並にそのまんまなのに知らなかった。
そういや昔サッカー漫画かなんかでかっこよく「ドラゴン・フライ!!」って決め技やってたけど、
トンボ!!って・・・英語って使うだけでかっこいいから・・・
で、本題。
バカだけど、おじいさんが、思いを込めて作ったかかしだから、
はっきり覚えていないけど、ちゃんと、言われたとおりに威厳を持って、
召し使いジャックの手を借りて、最終的には任務を果たした。
かかしが兵隊の試験を受けて、どの問題も分からなかったので、
兵卒も軍曹もダメ、だから将校に採用された、っていうところは笑った。
いろんな人にであって、むちゃくちゃしたけど、鳥を守り、山河を守った。
面白くて正しい児童文学である。
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きみのためのバラ

2007-09-01 20:45:13 | 読書(小説)
池澤夏樹、新潮社。
寄せ集め?
強いて言えば、テーマは異文化か?旅か?
飛行機に乗り遅れた男が、レストランで女性の愚痴を聞く「都市生活」
「花を運ぶ妹」の妹が語り手。バリでの国際結婚(未遂だが)「レギャンの花嫁」
沖縄で青年が体験した十夜は、古の姫が乗り移ったのか?「連夜」
夢物語か理想か世界平和が実現する「レシタションのはじまり」
異郷で、これまた国際結婚した男の話を聞く「ヘルシンキ」
人生の曲がり角として過ごしたパリの日々「人生の広場」
カナダの地で、父とうまくいかなかった少年時代を乗り越える「20マイル四方で唯一のコーヒー豆」
旅先で、人を信じること。青年が少女に渡した黄色いバラの意味は。「きみのためのバラ」
こうやって並べると、旅かもね。
どうしてぼくは、ここにいるんだろう?
旅に出ているときにいつも持っている疑問。
なんとなく、ふわふわっと足もとがあやういお話ばかり。
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