河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

風に舞い上がるビニールシート

2009-09-26 00:11:07 | 読書(小説)
森絵都、文藝春秋。
短編が6つ。それぞれに味わいが違う。
やっぱりどうにもこの人の特徴をつかめないでいるのだが。
ひとつひとつは結構面白い。
「器を探して」は、ラストが拍子抜けするが、菓子製造業者の秘書の話。
「犬の散歩」は愛護活動家の話。ううーむ。
「守護神」は、社会人大学生。落語的オチが付いている。
「鐘の音」は、仏像修復師。
「ジェネレーションX」は、会社員の話だけど、野球部OBもの。
キャッチボール屋を見た後だけに、180°違う部員たちだなと。
ラスト、表題作は、ドラマにもなってたが、国連の事務員の話。
表題の「ビニールシート」は、途上国の人の命だ。
こんな言葉、現地を経験していない者が軽々しく使っていい言葉ではないなと思った。
しょせん、我々も、本で読んで感心しているだけ。
ラスト、お花見のビニールシートとは、軽いような重いような。
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DVD「キャッチボール屋」

2009-09-25 23:57:00 | 映画
邦画。
微妙な。
予想通りの意味わからんぶり。
野球部OBたち。
酔っぱらって、主人公は東京へ送り込まれ(?)てしまった。
朝起きたら東京のとある公園。
だけど、なぜ来たのか思い出せない。
公園には、「キャッチボール屋」を名乗り、10分100円で
キャッチボールをする紳士がいた。
・・・気がついたら、7代目キャッチボール屋に就任。
東京に来た理由を思い出せないまま、客とボールをやりとりする。
盗まれたしょん便少女とか、提供された部屋にかかる留守電など、
伏線がいくつか。
昔の甲子園ビッチャーと敬遠されたバッターの勝負や
ちょっと変わったOL、野球の下手な父とその子、借金取りの青年など、
主人公は彼らと関わるうち、最後の試合での出来事を思い出す。
なんつうか、不思議な味わい。いかにも邦画。
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子供の情景

2009-09-20 16:37:32 | 映画
アフガニスタンの映画。
少女バクタイがかわいい。
どうしても、学校に行きたいので、
卵を売ってノートを買おうとする。
やっとのことでノートを手に入れたら、
少年グループの戦争ごっこに巻き込まれ、
ノートは紙飛行機にされ、あげく捕虜にされる。
バクタイは、むっちゃマイペースに障がいを退け、
学校に行きたい一心で、バーミヤンの町を歩いていく。
少年たちの歯止めのきかない戦争ごっこにうんざりするけど、
こんな子どもにしたのはだれだ、というのがテーマらしい。
ラストシーン、「自由になりたければ、死ぬんだ!」
・・・うはあ。

学校に行きたい、という思いがかなうようになればなったで、
不登校だの別の問題がわき上がる。
平和とか幸せとか、揺れ動く価値を、とどめることは出来ないし。
とにかく、もうちょっと、打たれ強くならないといけないよな、日本人。
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紀州犬 生き残った名犬の血

2009-09-18 23:44:44 | 読書(その他)
甲斐崎圭、光文社新書。
ノンフィクション。
大学生の頃に世話になった羅臼の中川さんの飼い犬が主人公。
紀州犬、といっても、中川さんの犬・熊五郎の物語。
本筋の紀州犬とは外れた傍流になる。
当時、三重県出身ならいい紀州犬手にはいらんかと聞かれたっけなあ。
すごい超人もとい超犬ぶりが、ちょっときざな文章で描かれる。
雰囲気重視の文体なので、たまに文法が変。
すごさを強調するあまり、次から次へと熊が殺されるあたりはちょっと辟易する。
実際は、いろいろ事情もあっての選択だと思うけど、そのあたりが薄い。
熊五郎、かっこいいけどね。
こういう犬と人の関係でありたいなー。
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ベルサイユの子

2009-09-17 00:05:10 | 映画
久々の進富座。
最後の回を仕事帰りに見に行ったら眠い眠い。
もう寝ます。
23才の母ニーナ、住所不定。少年エンゾは、母について歩く。
ある日、ベルサイユの森で、小屋で生活する青年ダミアンに出会う。
ニーナはエンゾを置いて去ってしまい、男二人の生活が始まる。
母目線で始まって、ダミアンに変わり、ラストはエンゾ、となんか
視点が安定しないような印象を受ける。
ストーリーに山もへったくれもないのは、こんなもんかな。
ダミアンの物語としては、尻すぼまりだし、エンゾというにも中途半端。
エンゾと母の物語なんかなー。
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