染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

方言について考えてみた。

2012年03月12日 | 店主の一日
最近、商品名や店の名前を各地の方言から名付けたのがあります。方言が目新しいのか市民権を得たのかはわかりません。
僕自身は十日町の方言や訛が好きですが、商品名に転化されていると、どうも好きになれません。
よく「方言番付」なんて手ぬぐいやのれんがありますね。たくさん集まると、それは群として一つのイメージを持ちますが、商品名のようにただ一つだけ表記されると、なんだか意味を持たない記号のようでもあり、何か、方言(あるいは訛)以外の言葉へのおもねりであるようにすら思えてしまいます。
やはり方言は言葉ではなく「生活」だと思うのです。
高木恭造の「まるめろ」を先生が授業で読んでくださったのは小学校の頃でした。青森の方ではないので、その津軽弁がどの程度正確であったかは怪しいですが、その語られた詩は不思議で美しく厳しく哀しいものでした。
確か「陽コあだネ村」
後にひどく気になって「まるめろ」を読んだ事がありますが、身にしみる詩が並びます。
十日町にコミュニティFMがあります。実はあまり聞く事がないのですが、その中に「シンばあちゃんのむか~しむかし」と云うコーナーがあります。
僕はこのコーナーの隠れファンなのです。
シンばあちゃんが十日町弁で自分の子供の頃の話や昔話をします。そこには慎ましく、シンプルで無駄のない雪国の生活が語られ、モノは豊かでないのですが、心持ちの豊かな日常が語られます。夜がまだ暗い時代に淡い光の中で語られた昔話があります。その言葉は美しく、僕を魅了します。
前号の六花便りのデータを作るのを手伝ってくれた徳永君は家が近いらしく「シンばあちゃん」を知っているようで、いつでもご紹介しますと言ってくれました。暖かくなったらお願いしようかと思っています。
コメント
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