2011年11月24日 韓国発
[第21次韓露漁業委員会妥結 ほぼ前年並み]
韓国農林水産食品部は2011年11月15日から同22日まで6日間、ソウルで開催された第21次韓露漁業委員会において、韓国遠洋漁船が来年2012年ロシア排他的経済水域で操業できるクォータを、スケトウダラ40,001トンを含め、計61,966トンを確保したと発表した。
今次委員会は、韓国側農林水産食品部水産政策室長イム・グァンス、ロシア側連邦漁業庁副長官ファミンがそれぞれ代表を務めた。
韓国が確保したロシア水域の操業クォータは主に、一般大衆が好んで食べる魚種で、スケトウダラが40,001トン、マダラ4,450トン、サンマ7,500トン、イカ8,000トン、その他2,015トン(ニシン、カレイ、アカエイ、ふぐ)等となっている。
今回確保したクォータでイカが2011年の10,000トンより2,000トンが減少した理由は、今年のロシア水域で操業した漁船のクォーター消化率が54%にとどまったことを韓国業界が考慮したもので、一方でロシア水域で操業することを希望する漁業者の数を反映させ、操業隻数は今年の90隻から14隻を増やし104隻とした。
今年、ロシア水域で操業する韓国漁船は北洋トロール7隻、北洋はえ縄2隻、サンマ棒受け網15隻、イカ釣り90隻で計114隻だった。
入漁料も過去には毎年引き上げられたが、来年はすべての魚種の入漁料を今年度と同じ水準で凍結して業界の負担を減らすことになった。
今回の会議でロシア側はロシア産カニの違法貿易防止のため、韓国に積極的な協力を要請、これに対して韓国側はロシア産カニを搬入するため入港する船舶の情報をロシア側に提供することとし、原産地確認をして対応を強化することとした。
また、ロシア極東地域に韓国の投資家が冷凍倉庫および加工工場建設などに進出するなどの投資協力も強化していくことにした。
なお、ロシア産カニの違法貿易防止問題と操業クォータ配分を関連付けることで、交渉は複雑なものとなったが、両国がこれまで積み重ねた友好協力を土台に、韓露IUU漁業防止政府間協定の履行強化を前提としてクォータが配分されることとなった。