2018年09月01日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国大型巻き網漁業 ロシア南クリール海域操業を海洋水産部に要請]
韓日漁業交渉が難航しているなか、韓国水産業協同組合中央会が2018年8月30日、政府に対してロシアなど海外代替漁場を確保することを要請した。
韓国KBSが伝えた。
水産業協同組合中央会は、韓日漁業交渉が妥結されないまま3年目を迎えていて、大型巻き網業界を中心に経営難が深刻になっているとして、海洋水産部にロシアなどの海外代替漁場の確保を進めるよう提案した。
水産業協同組合中央会の関係者は、「韓日漁業協定にだけ頼っているため、水産業界が打撃を受けても、手の打ちようがない。隣接しているロシアなど代替漁場を確保するなど多角化する必要がある」としている。
また、水産業協同組合中央会は、「ここ数年間、ロシアの漁場への進出を打診していて、ロシアも前向きな反応を示している」と話している。
ロシアは、南クリール海域にサバやマイワシが過度に分布し、ほかの魚の生息を妨げているが、これを漁獲する漁船が足りない状況となっている。
水産業協同組合中央会の関係者は、ロシアだけでなく、スリランカなど東南アジアでも代替漁場の確保を進め、韓日漁業協定の空白を埋める努力を続けていくとしている。
韓国と日本は、今年に入って6回にわたって韓日漁業交渉の協議を行ったが、はえ縄漁船によるタチウオの漁獲割当量や韓半島の東海の中間水域の交互利用をめぐって意見の隔たりが狭まらず、難航が続いている。