2020年12月11日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 EU交渉決裂緊急措置案 英国 拒否を示唆]
EUの行政執行機関、欧州委員会は2020年12月10日、英国が同年12月31日までに通商協定を結ばずにEUを離脱した場合に備え、漁業の混乱を抑えるための短期的な措置を発表したが、英国はこれを拒否するだろうとアイルランド紙”THE IRISH TIMES”が伝えた。
欧州委はなお年末の期限までに通商協定締結を求めているが、協定があっても英国がEUを離脱する際に予測される混乱の一部を和らげることしかできないと指摘した。
声明で合意なしのシナリオでは多くの分野で混乱が生じるが、適切な予備対策がない一部の分野は過度に影響を受けるだろうと述べた。
漁業分野に関して欧州委は、“2021年12月31日まで、または英国との漁業協定が締結されるまで、いずれか早い方の日付で、2020年12月31日以降もEUと英国の漁船が互いの海域に相互アクセスできるようにするための適切な法的枠組みの構築に向けた規制”を提案した。
これに対して英国首相報道官は、この提案を注意深く検討するとしたものの、受け入れる意思がないことを示唆した。
同報道官は、独立した沿岸国としての英国の地位と両立しない調整、それに基づく漁業海域へのアクセスを決して受け入れることはないと語った。
漁業分野については、先に、英国側が3年間で段階的にEU漁船への自国海域の漁獲割当を削減させる、調整期間を与える妥協案を提示していたことが明らかにされている。