2022年03月18日
FNNプライムオンライン
[ロシア産のカニ・サケ等水産物 禁輸せず]
ロシアへの追加の経済制裁で、政府は、カニやサケなど、ロシア産水産物の輸入禁止措置は実施しない方向で調整に入った。
政府関係者によると、ロシアへの追加制裁について、カニやサケなどのロシア産水産物については、国民生活への影響が大きいとして、輸入禁止措置は実施しない方向で調整に入った。
ただ政府は、ロシアに対して、貿易で優遇される最恵国待遇の撤回を表明しており、今後、他国の制裁の状況をふまえて、カニやサケなどへの関税率を引き上げる案を含め、検討する方針。
(関連情報)
2022年02月28日
FNNプライムオンライン
https://www.uhb.jp/news/single.html?id=26762 https://www.fnn.jp/articles/-/322602
[ロシアへ経済制裁で"ロシア産"水産物に影響も]
サケ、カニそしてウニ。北海道がロシアから輸入しているものの4割はこうした水産品です。
ウクライナへの軍事侵攻で日本が経済制裁に踏み切るなか、水産業からは懸念の声が聞かれます。
釧路市民の台所、和商市場です。道東の水産物以外にもロシアから輸入したサケなども並びます。
マルダイささき 佐々木 悟さん:「和商市場では99%、ほぼ100%に近いくらいロシアのサケを扱っていますね」
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、岸田総理は世界の銀行のシステム「SWIFT」からロシアの特定の銀行を排除する措置に、日本も参加すると発表しました。
こうした制裁への報復として、ロシアが輸出規制に乗り出した場合、道民の暮らしへの影響が懸念されています。
和商市場でサケやイクラなどを扱う、丸栄田村商店です。
丸栄 田村商店 田村 秀樹 さん:「何千件も1年間で注文いただいているんですよ。うちのベニサケのエースなんです」
ロシア産のサケを加工し、釧路市のふるさと納税の返礼品にも選ばれていますが、経済制裁の行方によっては大きな影響を受けるといいます。
丸栄 田村商店 田村 秀樹さん:「6月までは原料を確保できているのが、7月からの新物は予測がつかない。ロシア産のサケが入ってこなくなったらえらいことになる。魚を切り替えないといけないので怖いです」
海鮮丼を出している飲食店です。提供しているウニはロシア産。2021年の赤潮被害で道東産から切り替えていました。
露風庵 横田 国勝さん:「ウニの入っているメニュー、出せなくなるかなという危惧もしています。コロナの状況が良くなり、お客さんが戻ってくるかなというときに、ウニが入ってこないとなると痛いなという感じ」
北海道がロシアから輸入している品の4割以上は水産物。消費者からは不安の声も。
利用客:「ロシアのウニなどが入ってこなくなったら、道産のものが値段も上がって食べられなくなり、悲しいなと思いますね」
さらに、北海道漁業への影響を懸念する声も。ロシアと協定を結び、北方四島周辺でスケソウダラやホッケなどの漁をしている漁業者は、協定交渉が進むか心配です。
“北海道の漁業への影響も”
北海道機船連 原口聖二 常務理事:「(ロシアと)道東の漁業協定が円滑に進まない状態になるのは、漁業者にとってもマイナスなので、可能な限り交渉に影響が出ないよう、政府に対応をとってもらいたい」
北海道と密接な関係のあるロシア。影響がどれほど広がるのか、警戒感が広がります。