旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

1992年のモンゴルへ~飛行機が来なくて乗馬ツアーを企画、翌日ウランバートルへ

2020-08-18 08:14:23 | モンゴル
1992年モンゴルの旅より 「虹の足が見える」はじめてそう思った


ホジルトからウランバートルへ戻る予定の日、我々が乗る飛行機は来なかった。
来るときに臨時便で到着していたので、席が足りなかったのである。
他のグループがいなくなった草原のゲル。
雨が降ったあとに冒頭写真の虹が出た。

ぽかんと虹をながめていてもよい空白の一日。

遊牧生活では子供のうちから馬を自在に操るようになる。
持っている長い棒は先に輪っかがついていてそれで羊を捕まえる。

「そうだ、馬に乗りに行こう!
バスはないのでゲルのトラックに乗せてもらい、馬を飼っている遊牧民のゲルにつれていってもらう。
彼らにとってもドルの現金が手に入る良い商売だから快くうけてくれとおもったら難しい顏をしている。
なぜかというと・・・

※汚い字ですみません
馬は喜んで人を乗せてはくれない。はじめ人が乗ろうとすると全力で振り落とそうとあばれる。
それを調教されて、つまり「振り落とすことはむりだ」と諦めさせることができた馬が「乗馬用」とされているだけだ。
何十頭も飼われているなかで、見ず知らずの素人が乗ることができそうな馬は二頭しかないというのである。
ううむ、それでは、その二頭とトラックを併走させて、交代で乗らせてもらおう。

草原を疾走するのは気持ちが良い。
が、飼い主の遊牧民が誘導するから走ってくれているだけで、馬自身はあんまり喜んでいない。
乗り手交代で止まる度に「もう帰ろうよ…」というようにくるっと逆を向く。
家畜についてもペットにしても、人は動物の気持ちを都合のいいように解釈しているが、動物の本音がどこまで理解できているのかは分からない。


雨上がりの草原、三百六十度の空にまだ雨の気配がのこる。
十数キロ走って、我々を乗せていた馬たちを「もういいよ」と放すと、一目散に駆け戻っていった。
**
翌日、ようやくウランバートルへ戻る飛行機が来ることになった。

民族音楽でいちばんモンゴルらしいといえば「馬頭琴」
それにホーミーと呼ばれる二つの音を同時に出すめずらしい歌唱法。


中国民航で呼和浩特へ一泊して北京を経由して成田へもどるフライトだった。



コメント
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