kotoba日記                     小久保圭介

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苔取る男のまわりでは

2021年03月07日 | 生活詩
  



道にしゃがんで
男が苔を取っていた
ビニール袋に入れていた

男の頭上は桜のつぼみ
桜のつぼみの頭上には
青、白、太陽

地に草が立ち
雨上がりで喜んでいる
慈雨は彼らの頭上から注いでは
葉茎を伝って地下に行き
土を潤し
その雨を吸う


道にしゃがんで
男が苔を取っていた
ビニール袋に入れていた

水仙の花が傍らにあり
苔と桜とみんながおしゃべり
騒がしい
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
騒がしい

彼らの声が人に聞こえないのは
あまりにもうるさくて
煩わしいからだ

地に立つものたちわたしたち
そんなふうにできている?
そんなふうにできている


コメント
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